今日は自分の話し。

収容中2回、PC送りの危機に陥ったことがある。

拘置所入所時に外したコンタクトレンズの片方を、外国人収容所入所時に手に入れ装着したことは前に触れたが、使い捨てのレンズであったため、結局1週間ももたず、その後C棟に移るまで、不便な思いをしていた。C棟のクッキールームに入り、最初に親しくなったマレーがめがねを持っており、私がクッキーになった際に快く貸してくれた。Inmateが部屋の外で物の貸し借りをすることは禁じられており、直ぐに所内の看守たちの中で問題となってしまった。PC送りになると、その先クッキーとして働けなくなり、出所まで部屋の中で退屈な毎日を過ごさなければならなくなる。

後で聞いたところでは、看守内で意見が真っ二つに割れたそうで、

Mr Gohが何とか説得してくれ、最終的にNo.2幹部が黙認の結論を出し、事なきを得たとのこと。No.2は、180cm以上もある、インド人。眼光鋭く強面。実務上全体を掌握しており、影の所長的存在だ。彼と他数名の幹部の部屋がC棟の目の前(敷地内中央)にあり、

特にC棟に対しては目が届きすぎるほどであった。彼も私がC棟に移ると直ぐに私から事情聴取しており、その後は、私が外で働いているときに彼が通りかかると必ず声をかけてくれた。Inmateにとって神様のような存在の彼と頻繁に立ち話しているので、他のInmateたちからは、お前は何者だ?とよく聞かれたものだ。

実は、彼はMR Gohをかわいがっており、それもあって救いの手を差し伸べてくれたのだと思われる。

次のピンチは、私の凡ミス。クッキーICは、看守のアシスタントとして常に看守の傍にいなければいけないが、その日は、Mr Singhの日で、彼とクッキー全員で2階で作業していた。彼から、1階の看守室から、予備のTシャツを取ってくるよう指示され、普段なら他のクッキーに行かせるのだが、その時は自分で取りに行ってしまった。看守用机の下からシャツを取り出したその瞬間、入口にNo.4の幹部が仁王立ち。「ついて来い」の一言に従い、彼の後ろをついていく私。そのまま、彼の部屋に連れて行かれ、事情聴取を受けた後、PCルーム横の狭い通路に入れられた。何てことだ、PCなのかな...と、不安な気持ちのまま放っておかれた。その間、当日PCルーム担当のMr Rahad(若いインド人看守、B棟にいる時世話になった)が、何度も顔を出し、声をかけてくれた。ことのいきさつを彼に話すも、「心配するな」としか応えてくれない。待たされること1時間、Mr Singhが現れた。満面の笑顔。ターバンを巻き、ひげを蓄えた温厚なインド人のおじいさんの顔で立っている。

Taki ! 迎えに来たぞ。」 

良かったよ~。このときばかりは、思わず泣きたくなるほど、ホント嬉しかった。

彼も何かと目をかけてくれていたが、どうやら、このNo.4はあまり私のことを快く思っていないらしく、「あいつには気をつけろよ」と、Mr Singhが注意してくれた。

こうして、無事、2度のPC危機を免れることができたのは、親切な看守たちのおかげであった。感謝!