中国系のMr Tohはとにかく声が大きい。慣れるまでは、いつも起こられているような気がしたが、クッキーICとなってからは、いつもそばで見ているので、気にもならなくたった。ここの食事は口に合わないだろうと、私だけにこっそりお菓子をくれたのは彼だった(本来厳禁)。、


新入りが来ると、Mr Klenはその中で一番人数の多い国籍を選び(たいてい、インディアかバングラ、チョンコレンは言葉が通じないため遊べない)手を降らせて遊んでいるが、Mr Tohは、全員を裸にして持ち物検査をする(私は、自分がされるのは当然嫌だが、させられているのを見るのも嫌だった)。既に入所しているわけだから、隠し持つものも無いのが、何故か彼はこれをやる。ところが、これが大問題へと発展するのだから、この国は恐ろしい。


C棟は、女性収容所と隣接しており、トタン板で仕切られているだけである。、女性棟に出入りする看守(もちろん女性)は、C棟の前を通らなければならない。ある日、Mr Tohがいつも通り新入り約40名ほどを裸で2列縦隊に立たせ、おかしな格好をさせていると、たまたまそこを女性看守が通りかかった。

彼女は、Mr Tohがわざと彼女に男の裸を見せ、からかった!と騒ぎ立てたのである。この国、何かと女性が強いことで有名だが、彼女は、これはセクハラだと、幹部に報告したのだ。現場に居合わせた私としては、これは、彼女の過剰な反応だと思った。Mr Tohは昨日今日この検査を始めたわけでなく、他の女性看守(Inmate宛ての手紙や差し入れの本を運んでくる、幸せを届けてくれる天使であった)は、その前を平然と通っているのである。そもそも、Inmateが場所を移動した際、看守は必ずこの検査をしなければならない(実際は行われていないが)。つまり、Mr Tohは職務を果たしただけなのだ


この問題、当のMr Tohはもちろんのこと、頭を痛めたのは、C棟担当責任者のMr Gohである。翌日Mr Gohから呼び出され、どうしたものかと相談される。私に相談されても困るのだが、客観的に見て、女性看守に見せることを目的に故意に行われたのではなく、あくまでアクシデントであったと述べた。彼は、それをそのまま報告するのだが、英語が苦手な彼は、私にそれを英文で入力させた。もし、私が看守のPC入力中にMr Gohがちょっと席を外し、そこへ他の看守が来ようものなら、一発PC送りである。このあたり、本当に開放的というかなんというか...。


ところで、この件でもう一つ明らかになったことがある。実は、Mr Tohと、Mr Singhは犬猿の仲なのである。Mr Singhはこのセクハラ事件を聞いて、手をたたいて大喜び。散々Mr Tohの悪口を聞かされた(ちなみにMr GohとMr Klenは親友)。この方については、語っても語りつくせないほどのエピソードがあるが、後々ゆっくりと。


さて、Mr Toh、これに懲りて裸検査を自粛すかと思いきや、次回からは、新入りを裏庭に連れて行き、存分にかつ過激に裸検査をし続けていた。やれやれ。