貴女の帯下(おりもの)を解剖す
帯下の変化で体の状態が確認できるので、毎日確認し早期に対応してね。
☆量
初潮から閉経まで、いわゆる女性ホルモンが分泌している約35~40年間はおりものの分泌があり、また排卵期を中心に量の増減があります。このような生理的な分泌量ではなく極端に多い・少ないときは、病理的な要素が強くなります。
多い場合:主に「湿(病的に変化した水分)」によるもの。「湿」は脾(消化器系)虚や腎虚から生じるが、黄色であったりにおいが強いものは生殖器の炎症(細菌・真菌感染など)が考えられる。
少ない場合:腎精の不足による。つまり女性ホルモンの低下が主な原因と考えられる。早発閉経や排卵機能の低下時にみられる。
☆質
粘るか稀薄かのちがいで、一般に粘りが強いときには実証・熱証、稀薄なのは虚(構成物質の不足)証・寒証とみます。豆腐状のものはカンジダによる腟炎で、やや粘り泡状のものはトリコモナスが原因です。
☆色
色の変化は複雑で、昔の人は白・黄・赤・ 青・黒の五色あると言っていたそうですが、一般には白色が正常です。白色でも湿濁・寒湿・脾虚・腎虚と関係することもあり、また黄色や赤色と濃くなる場合は湿熱・熱毒が関係します。
☆ におい
一般的ににおいはないのが正常です。においがある場合は多くは実証・熱証で、生臭かったり悪臭の場合は悪性疾患も考えられるので要注意です。
◆月経周期と帯下の変化
・卵胞前期
量 ~ 微量
粘稠度 ~ 大
牽引性 ~ 少
透明度 ~ 白濁
羊歯状結晶 ~ 陰性
精子受容性 ~ 少
・卵胞後期
量 ~ 漸増
粘稠度 ~ 漸減
牽引性 ~ 漸増
透明度 ~ 軽度混濁
羊歯状結晶 ~ 非定型
精子受容性 ~ 漸増
・排卵期
量 ~ 著増
粘稠度 ~ 小
牽引性 ~ 著増
透明度 ~ 透明
羊歯状結晶 ~ 定型
精子受容性 ~ 最大
・黄体前期
量 ~ 漸減
粘稠度 ~ 漸増
牽引性 ~ 少
透明度 ~ 軽度混濁
羊歯状結晶 ~ 非定型
精子受容性 ~ 漸減
・黄体後期
量 ~ 微量
粘稠度 ~ 大
牽引性 ~ 少
透明度 ~ 白濁
羊歯状結晶 ~ 陰性
精子受容性 ~ 少
◆まとめ表(添付)
ふだんあまり注意したことがなかったかもしれませんが、この表を参考にこれからよく観察してみて、体質をチェックしてみてね。


