今日のテーマは逆睫毛(拳毛倒睫)です。
拳毛倒睫とは睫毛(まつげ)が内半して角膜を刺激し痛み・流涙などをともなうことを言う。俗に逆睫毛とか倒睫とか呼ばれます。
逆睫毛の原因を中医学的に分類すると主に以下の2つです。
・風熱内積型
・肺脾氣虚型
①風熱内積型
・メカニズム
風熱が停滞し肝脾を曛灼し目に上衛した為に発生する。
・特徴的な症状
睫毛内反と目の充血・腫脹・痒み・疼痛・流涙などがみられる。
・症状
目の充血・痒み・流涙および眼瞳の腫脹と緊張などをともなって睫毛が内反し角膜を刺激する為に刺痛・流涙が強く頻繁に瞬きをする。舌質紅、脈数。
・治療薬
細辛湯や消風散など疏風散熱薬を中心に治療する。
②肺脾氣虚型
・メカニズム
脾肺氣虚で氣血精微が胞瞳に十分に輸布されず皮毛筋脈が栄養されない為に皮膚の弛緩や筋肉の痙攣が生じ眼瞼が内反して発生する。
・特徴的な症状
目の充血・腫脹・痒み・疼痛が明らかにない。
・症状
眼瞼の痒みが増大して続き睫毛が1本~数本内反する。重度になると皮膚の弛緩と眼輪の筋肉の痙攣などで睫毛が大部分内反し角膜を刺激して刺痛・流涙をともなう。無力感・息切れ・舌質淡・脈弱などを呈する。
・治療薬
補中助陽湯や補中益気湯やレオピンなど補氣健脾で益肺薬を中心に治療する。