ポイント7 「懐に入って上手に主張する」
「朝倉さんは、誰と会っても全然緊張しないでしょう」とよく言
われます。
本当はそうじゃありません。唇がふるえたり、手先が冷たくなる
ほど緊張するんです。
そんなときは、静かに深呼吸したりして、落ち着くようにしてい
ます。
初対面のとき、どんな出会いがあるのか、いつもワクワクドキド
キします。
でも相手も初対面では構えているはずです。
そんななか、いかに自分をアピールするか。
そして次につながる話ができるか。
その成否を知るには、帰り際にチェックすることができます。
「次はいつ頃、お伺いしてよろしいですか?」。
返ってきた答えが、言葉を濁すようでは、不成功です。
私なら本当に会いたい人ならば「お酒はお好きですか?」と聞い
てみます。
では、どうやって次につながるような内容のある話をするかとい
うと、これにもポイントがあります。
まず、結論から先に話をすること。
ビジネスは結論が先です。「結論は~~です。その理由は~~」
と。
何事もスピードが要求される時代です。回りくどい話は聞いてい
られません。
上司、お客様が知りたいこと、それは結論です。要点がきちんと
まとまっていること、イエス・ノーがはっきりしていること、そ
れが会話の上手な人なのです。
時には言いにくいことを言わなくてはならない場合もあるでしょ
う。
でも、そのときに大切なポイントがあります。
それは、クッション言葉を上手に使うこと。こんな賢い方法です。
まずはじめに
「おこらないで聞いてくださいね」と言います。
こう言われると相手も心の準備をしますね。
「はい、どうぞ…」
「御社の問題点は~~」
と、ズバッと言う。
あるいは
失礼かもしれませんが、気づいたことをお話ししてよろしいで
しょうか?」
「今日感じたことを、本音でお話ししてもよろしいでしょうか?」
最初にクッション言葉を言って話すのと、そうでないのでは、受
け取り方も正反対です。
ただズケズケ言うだけでは「お前、なんぼのもんじゃい」と思わ
れてしまいます。
ストレートはいいのですが、生意気はダメです。
私の場合、こんなトークになります。
「もしかすると失礼になるかもしれませんが、わたくしも多くの
企業を訪問するなかで、ものの見方感じ方が変わってきました。
今日お目にかかった○○さんについて、わたくしが気づいた点を
申し上げてもよろしいでしょうか?」
クッション言葉ひとつがあることで、誠心誠意言っている言葉で
あることが伝わるわけです。
そして相手は聞く耳を持って聞くから効果があるのです。
これは、非常に重要なポイントです。