今日のテーマは、ものもらいです。
⑴風熱型
①メカニズム
風熱邪が胞瞼に侵入し局所の氣血が瘀滞した為に発生する。
②特徴
眼部の症状が軽度で初期は発赤、腫脹、熱感、疼痛が軽く次第に増幅、数日で消退するか潰破したのちに治療する。全身症状はないが風熱表証を呈する。
③症状
眼瞼局所に軽度の発赤、腫脹、熱感、疼痛が生じ硬結と触痛がある。初期は軽度の痒と腫脹を呈し、つづいて発赤、疼痛、圧痛があり軽症では数日で自然消退、重症でも数日後に漬破して排膿し治療する。眼角に近い部分に好発し一般に全身症状は見られないが重症では発熱、悪寒、浮数脈等の表熱を呈する。
④治療法
銀翹散や天津感冒片等疏風清熱薬を中心に対策する。
⑵熱毒型
①メカニズム
辛味や熱性なものが好物で熱毒が生じ熱毒邪が上衝した為に発生する。
②特徴
眼瞼の発赤、腫脹、熱感が強く葚しければ眼球結膜が腫脹し痒痛をともなう。夜間に症状が増悪し便秘、口渇、舌苔黄等の脾胃積熱の症状を呈する。
③症状
眼瞼の発赤、腫脹、疼痛が強く額部が拡がったり眼球結膜の充血や疼痛を来たし夜間に増強し発熱、熱感、便秘、舌質紅、弦数脈等を呈する。
④治療
通脾瀉胃湯等祛風清熱と瀉火解毒作用薬を中心に対策する。
⑶氣陰両虚型
①メカニズム
熱病の後期に見られ氣虚で運化が不足し陰虚で虚火が上炎し胞瞼の氣血が瘀滞した為に発生する。
②特徴
虚火なので局所の発赤、腫脹、疼痛は弱く、腫塊も軟堅が混合し倦怠無力感、息切れ、食欲不振等氣虚の症候や潮熱や便秘等の陰虚の症候を呈する。
③症状
眼瞼が豆粒状に腫脹し軽度の発赤と触痛をともない疲労倦怠感、物を言うのがおっくう、胸苦しい、便秘、夕方の潮熱、舌質紅、舌苔薄白、細数脈等を呈する。
④治療
托裏消毒散加生地黄知母等益氣滋陰薬を中心に対策する。
⑷脾氣虚型
①メカニズム
胞瞼は脾に属し脾虚の為に風熱の余毒が胞瞼に残存し排除されないことにより生じる。
②特徴
反復して発症し難治であり食欲不振、泥状便等を呈する。
③症状
眼瞼の軽度の発赤や腫脹が反復し疼痛は明らかでなく片側ずつ交互に発症したり両眼に同時に反復し生じたり食欲不振や消化不良や少食等をともなう。
④治療
資生丸等健脾和胃と扶正祛邪作用薬を中心に対策する。