「他山の石」とすべき教訓
一言で言うと、氏は、IQ(知能指数)はずば抜けて高いが、
EQ(感情指数)は、この上なく低いことが露呈した。
理屈で考えて、法律に違反していないから、逃げ切れると思った
のであろう。
最近は、ビッグデータの解析により、大衆が何を考え、何を感じ
ているかが、明確にわかるようになった。SNSで人々が何を
つぶやき情報発信しているか、コミュニケーションしているか、
たちどころにわかるのであるから、すごい世の中になったもので
ある。
街角アンケートなど、不要になる時代も近い。
そのビッグデータの解析により、舛添氏の支持率が、記者会見の
度にどんどん下がって行ったのである。
一回目の会見を私も見ていたが、聞いていてあきれた。
この時のキーワードが「第3者の厳正な目で審査」
どんな質問に対しても、この言葉の繰り返しであった。
態度は、平身低頭を装っていたが、慇懃無礼とはこのことだろう。
何のために、多くの記者を集め、しかも長時間会見したのか、
さっぱりわからない。
二回目の会見のキーワードは、雇った第3者の弁護士の言葉。
「違法ではないが、不適切」
つまり政治資金規正法が、ざる法であることを、よく知っている
舛添氏。「第3者の厳正な目で審査してもらい、不適切なとこと
は是正しました」という態度。「これでどこが悪いの?」という
氏の本音に庶民は激怒した。
支持母体である自民党からも見放され、都議会で三下り半をつき
つけられた時「給料はタダでもいいですから、知事をやらせて
下さい」と言ったこの間の悪さ。その時、多くの議員から失笑を
買ってしまった。そのタイミングの悪さと鈍感さ。人心の機微が
読めない人がリーダーになってはいけない、いいお手本を示して
くれた。氏のEQはどうなっているのかと私は感じた。
最初の会見で土下座して「本当にすみません。私は育ちがとても
貧乏だったので、ケチが身についてしまっていました。そして公
私混同をやってしまいました。本当にセコイ男です。深く反省を
し、公私混同分と、これからの給料は、全て返上しますので、
どうかお許し下さい!」とでも言っておけば、人々の同情を買い、
ここまで追いやられることはなかっただろう。
まあ、しばらくして時間をおいて、バラエティー番組「しくじり
先生」に登壇していただくことを待つにしよう。
頭のよさだけでは、人生はやっていけないことを痛感した事件で
あった。