上級上司が、
「大切なのは、正しいか、正しくないかじゃないよ。
必要か必要じゃないかだよ」
とだけ言い、「考えてみて」と言わんばかりに
その場を去った。
ここ数日、この言葉が心をとらえて離さない。
正しいか、正しくないかじゃない、
必要か否か???わからない・・・。
じゃあ、そもそも「正しさ」とは何なのか。
ある大学教授の本によると、
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正しさとは、
何らかの基準に照らし合わせた結果の判断。
例えば、「1+1=2」が正しいか否かは、
「数字」「足し算の法則」という基準に
照らし合わせて判定される。
もちろんそれは正しいが、
時に、「1+1=2にならない」という
考え方もある。
例えば、仲の悪い2人が仕事をする場合などに、
「1+1=2にはならない」と言われたりするが、
これは「足し算の法則」という基準ではなく、
「経済などの分野での比喩的表現」という基準に
照らし合わせれば「正しい」とされたりもする。
つまりは、基準が異なれば「正しさ」の判定も
異なるこということになる
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人の数だけ、「その人なりの正しさ」がある。
往々にして、その「正しさ」を主張したくなるもの。
そう考えると、部下を指導するときに、
どうして説明ばっかりになってしまうのか、
話が長くなってしまうのか。
その訳がなんとなく分かってきた。
上司と部下が、時に言い合いをするが、
それは単に、お互いがお互いの正しさを言っているだけ、
わかってほしいだけのやり取りに過ぎない。
上級上司は、もしかしたら、
「正しいか、否かは必要か否かを決めるための基準であり、
手段方法なだけ。正しさだけを追求してどうなる!」
更には、
「その正しさも基準があってこそ意味を持つ。
基準がない、あいまいなのにそこだけを主張してどうする!」
と言いたかったのかもしれない。
そして、年齢とともに、積み重ねてきた経験とともに
自分の正しさに固執してしまうのかもしれない。