ある心理学者いわく、
「心理学には、部下が上司に従う影響力として
報酬勢力
正当勢力
準拠勢力
専門勢力
等があると考える。
上司がどの勢力をもっているかによって
部下の態度が違ってくる」
と言う。
それそれの勢力とは・・・、
報酬勢力とは、昇給やボーナスの査定
昇進や配置転換。
金銭的・地位的報酬を与える力
正当勢力とは、
組織内の地位、役割関係から上司が部下に従うのは
当然だとみなされることによって生じる影響力
準拠勢力とは、
部下が上司の人間性に惚れ込み、
心理一体感を持つことによって生じる影響力
専門勢力とは、
仕事に関する知識・スキルや経験、遂行力において、
上司の方が自分よりはるかに優れていると
みなすことによって生じる影響力
なのだそうだ。
加えて、こんな解説もあった。
「上司に準拠勢力や専門勢力がある場合、
部下は自ら喜んで上司についていこうとする。
少なくとも専門勢力があれば、
部下は抵抗なく上司についていくはず」
最後に、「しかし」と書かれ、
「専門勢力も、準拠勢力もない上司には、
ついていく気がしない。
けれども、報酬勢力や正当勢力があるため、
不利益をこうむらないために仕方なく従っている」
と解説されていた。
つまりは、部下は第一義的に
報酬勢力、正当勢力、
つまりは、管理者が会社から与えられた
勢力に従っているに過ぎないということが
明らかにされていたのだ。
この解説にはっとした。
そして、この4つの「部下が上司に従う影響力」は、
管理者、上司の立場から考えれば、
「説得力」と言い換えることができるのではと思えた。
上司が部下を従える説得力には、
4つの勢力があると・・・。
では、どうしてはっとしたのか・・・それは、
先日、上級上司とこんなやり取りがあったからだ。
上級上司
「棚に上げていいことと、そうでないことがある。
そんなことでは、部下を偉そうに指導できないよ」
小林
「はい」
それしか答えられなかった。
心の中にこんな叫びがあったからだ。
「管理者は部下を指導・育成することが任務の一つだ。
どうすればいいんだ、何を言えばいいんだ。立場がない」
というある種の不平不満だ。
自分を守ろうと必死だ。
しかし、上級上司の次の言葉で一瞬にして、
払拭されることになった。
上級上司は言葉を続けた。
「任された仕事の次元は違っても、
言われたことをやっていないという点においては、
あなたも同じ、それでは・・・」
納得だった。
貴女の言うことには説得力がない、
だからもっと、説得力をつけろというのだ。
説得力が問われるのは言葉だけではない。
理論理屈が通っているにこしたことはないが、
行動力が伴っていなければ、「説得力」
つまり「力」になりえない・・・。
結局のところ、やはり
部下の言行も上司次第なのだ。
『部下が従う4つの勢力』
部下を動かすことのできる
説得力を装填せよ!