2020.2.26 新しい歴史教科書検定不合格だって | 棟上寅七の古代史本批評

2020.2.26 新しい歴史教科書検定不合格だって

 

●コロナウイルス騒動はしばらく続きそうです。そのなかで、東京から九州旅行を企画して、長男のお嫁さんの母・お嫁さんの姉・お嫁さん・お嫁さんの娘(つまり孫娘)の4姫が福岡に見え、一夜香椎のわが嫁のお気に入りのお店で海鮮料理を楽しみました。ふぐ刺し・唐揚げ・ブリかま・ひれ酒などなどでウイルス騒ぎも遠のき、5姫のおしゃべりを楽しく聞きました。

ひれ酒のおいしさに「注ぎ酒〈しゅ〉」のお代わりのおねだりなどで、ちょっと度が過ぎたのでしょう、夜、布団を蹴飛ばし夜寒で目を覚まし、風邪の神に魅入られたことを知りました。

熱はなく鼻水だけなのですが、時期が時期なので早速クリニックに行き、薬を処方してもらい、以後はアルコールを控ええて3日で風邪の神も退散してくれたようです。 

●という次第で、おとなしく読書で過ごしています。『邪馬台国の常識』松本清張編 鈴木武樹森浩一・阿部秀雄・頼惟勤・古田武彦・大林太良・山本武夫・石井謙治・松本清張 毎日新聞社刊という古本を図書館から借りて読みました。

どうやら、「東アジアの古代文化を考える会」の講演会が行われ、その結果を清張氏がまとめたものと思われます。1974年秋の刊ですから、その春あたりに行われたシンポジウムであったのでしょう。個人的には、山本武夫(古代気象)・石井謙治(古代舟)の話を改めて興味深く読みました。

 

山本武夫氏が「二倍年暦」について書いている、というので調べて『日本書紀の新年代解読』という本に行き当たりました。

 古代気象学者というので、年輪法などと絡めてなにか新味のものがあるのか、と期待したのですが・・・

古代の日本には「春秋暦」というものがあり、そう考えると、日本書紀の異常な年代記事が理解できる、という方法が主題で、日本書紀の記述の年代を海外史料の記事の年代と照合する、という内容でした。古田武彦は出てきませんでした。

 

●このところ「二倍年暦」を論じる論考を読むことが多いのですが、読んでいて感じるのは、「平均寿命」という言葉の意味をよく知らずに使っている方が多いことです。(殆んど、と言っても過言ではないみたい)

人類学や統計学で用いられている「平均寿命」という学術用語は、一般に使われているような「平均的な人の死亡時年齢」という意味ではないのです。

 敬愛する古田師も、「平均寿命」というのは学術用語であり、一般の意味とは異なることを知っていたのか危うい感じがするのです。

というのも「平均寿命」の基になる「平均余命 Life expectancy」という語は著書の中に見かけたことがないからです。(講演語録にも) 

 

 統計学で用いられている「人間の寿命に関する用語」としては「Life expectancy」は「平均余命」と訳されています。もう一つの用語に「LEB」という用語があります。これは「Life expectancy at birth」(ゼロ歳児の平均余命)の略語でありますが、学術用語「LEB」として通用しているのです。これを内務省は「平均寿命」と訳してしまったのです。

 英語圏では、一般的な会話で人間の平均的死亡時年齢の意味での「寿命」をいうのには「Average life expectancy」といいます。これなら日本一般語「平均寿命」の意味と同じといえます。

 同じ漢字使用国、中国では「Life expectancy at birth」は「預期寿命」、「Life expectancy」は「生命期望」という言葉を使っているようです。(Wikipediaによる)

 

簡単にその違いを説明しますと、日本人の平均寿命(LEB)は男性で、昭和29年のデータでは81.09歳です。小生は既に3歳オーバーしています。

平均寿命をこのようにオーバーしていて良いのかどうか、わかりませんが、では、いつまで位生かしてもらえるのかな、と厚労省作成の表の「余命」を改めて見てみますと、まだ7年近く生かしていただけるようです。ありがたいことです。

 

●先日の新聞に「新しい歴史教科書」検定不合格」というニュースが小さく出ていました。国は、建国記念日の設定の理由も否定しないと、つじつまが合わないのではないかな。

 

●新しい歴史教科書(古代史)研究会のホームページのURLは次です。

http://www.torashichi.sakura.ne.jp/