『東京バンドワゴン』シリーズの小路幸也のご本です。以前読んだ『空へ向かう花』も、子どもを描いているようで、実は大人の覚悟みたいなものを描いていて、とてもいい感じでした音譜

 たまたま図書館で目にとまった『カレンダーボーイ』、2006年と1968年をタイムスリップして毎日行き来する・・でも身体じゃなくて精神だけ、というお話。1968年といえば「三億円事件」と「心臓移植」の年。高度成長時代だけれど、まだ日本は質素で、今のような虚構の豊かさと、あからさまな貧しさの格差がなかった時代ですかね(?_?)ほんのちょっと昔なのに・・。

 読み進めるにしたがって、段々盛り上がってきます。で、このままどう収めるはてなマークあと14ページなのにあせると心配になる・・。最後の収拾の仕方が急激で、そこがちょっと・・。それと『カレンダーボーイ』っていうタイトルはどうなのかなぁ汗

 でも『空へ向かう花』と同じように、作者が、子どもと大人の境目を探っているような気がして、そちらに惹きつけられました。大人になれば、真面目で優しい人が報われるなんてもう信じないけれど、でもずるこく得したってたいした事ないって気づいているし、潔い生き方って何だろはてなマーク