ヤングガンガン15周年おめでとうございます!
先日ガッツリとレビューを書いた、創刊号からの『ロトの紋章 ~紋章を継ぐ者たちへ~』もいよいよ次回最終回。こみ上げるものがあります。
遂に『咲-Saki-』が最古参となることが感慨深いです。
 
 
そんな折、突然あぐり先生から至高のクリスマスプレゼントが配られ阿知賀後援会は大歓喜。
メロンブックスでの松実姉妹タペストリー以来2年ぶりのあぐり先生による松実姉妹……五臓六腑に染み渡ります。
あれからもう2年経っているというのもビックリですが……
 
世界はどうしてこんなに優しいのでしょう。
 
そして、更新されたdreamscapeにて最新話の展開に関連したものも含め様々な情報が。
シノハユ扉絵発見に言及されていたのは笑いました。フランスまで飛ぶ予定の方が少なくとも5人はおり、ソフィアアンティポリスも別で行く気満々ですばらです。
 
合同合宿後に和が咲の家に行って手料理を食べたことがある、というのが明言されたのは咲和の民にとっては天変地異に匹敵する大事件ではないでしょうか。
 
143局扉絵集結には秋季大会など深い理由がなかったことが判明し、多治比さんが京都にいた理由も半ば氷塊したのは良いのですが、新たに多治比さんは淡の何なのだ、という議題が立ち上がりました。
 
亦野さんもスパッツが好きなのか、私気になります。
 
続きは最新話のネタバレになりますので、ご注意下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
突然のヘリ、突然の新しい制服、突然の新しい髪型の照から始まった今回の咲-Saki-。
1ページ目から非常に情報量が多い中で、「すごいものに乗っている――。」というアオリ文の小並感にも笑います。
 
立先生のHPでも述べられている通り、世界ジュニアの日本代表の制服であるようです。
絶対領域完備なのがすばらと言わざるを得ません。
ぜひこの服に身を包んだ玄さんを見たいですね。
 
 
このヘリはしにふぃえさんが一発でUH-60JAであると看破。
海上自衛隊・航空自衛隊の機体は救難ヘリコプターのUH-60J、一方で陸上自衛隊の多目的ヘリコプターがこのUH-60JAだということです。
ちなみに、お値段は38億円。聖路加レジデンスの入居費2億円が今までの咲-Saki-関連でも最も高額な買い物でしたが、遂にそれを上回る数字が出てきてしまいました。
ぜひ照及びサトちゃんファンの皆様には頑張って頂きたいです。
 
ちなみに、自衛隊のコールサインではUH-60JAを飛龍と呼ぶそうです。
ここでも来るんか、ドラゴン――!
運命か、それとも立先生が意図的に用いたのか……
龍に抱かれ運ばれる照と智葉、という構図には今現在行われている決勝戦先鋒戦の象徴を否応なしに想起させられます。
 
しかし、そもそもなぜわざわざヘリなのか。
この世界の麻雀人気を考えれば照たちが国賓クラスの待遇を受けるのは解るのですが、問題はヘリに乗ってどこへ行くのか。
大阪に向かってほぼ確定メンツであろう憩を迎えに行くのかな、とも思ったのですがUH-60JAの航行距離は500kmに満たないそうなので、それなら新幹線の方が良さそうです。
空母か何かを経由して海外の決戦場へ向かうのでしょうか。
 
そして、この飛行場の特定に勤しむ方も。
しかし、流石に基地の中は確認が難しいですし、よしんば発見に至ったとしても入るのが難しそうです。
でも、その辺も難なくクリアしそうな方がいる界隈なのがこわいです。
 
髪型がかわいい照ですが、話している内容は極めて重要。
照の連続和了のメカニズムのさらなる詳細が明かされました。
・積み棒抜きの点数で前の局より少し高いてを和了するとその次の局のツモが良くなる
・どんどん良くなる
・最初の和了の打点が高いほどその恩恵が出にくくなる
と。なるほどなるほどなるほどー。
 
照はツモが良くなる、としか言ってませんが、咲-Saki-Vita版での能力説明同様、配牌も良くなっているものと想像されます。
もし制約なく和了さえすれば連続で和了できるようになる、という能力だったなら満貫や跳満スタートであっという間に数万点稼げることになるので確かにこの制約は納得です。
 
そしてここに来て突然「阿知賀編3巻参照」というキャプションが。
単体で見ればとても親切なのですが、咲-Saki-シリーズにおいて過去の描写を参照すべきシーンはムゲンにあるので、「何故、今になって!?」という想いが強く生じたのは正直な所です。
とはいえ、ないよりは確実にあった方が読者にとっては親切。
今後とも適切な補足を入れて頂ければありがたいです。
 
折角ですので、実際に阿知賀編のそのシーンを振り返ってみましょう。
 
 
 
このシーンですね。
飄々と和了しているようにしか見えてませんでしたが、神の視点で見ている読者からしてもその真意は軽々には推し量れないということがわかります。
 
しかし、恩恵が少なくなると言っても2回の連続和了後にはダブリーできる手牌が来ているので、さしてデメリットも強くない印象です(たまたまだったのかもしれませんが)。
1300→2000→2600か3900くらいで終わるより、2600→3900→8000という実際に行われた刻みの方が優秀な気がします。
残り局数が少なく親番もない場合は、高めスタートも上等ではないでしょうか。
 
とりあえず、この和了によって点数はこう。
 
南三局2本場 照、平和イーペーコー
阿知賀 121200
清澄 98600(-2600)
白糸台 86500(+2600)
臨海 93700
 
 
そしてここで登場した背景に、私は大変高まりました。
 
 
観て、一瞬で解る我が聖なる宿舎。また千里山の宿舎であるペニンシュラホテルも同時に映っています。
そして、咲-Saki-シリーズで描かれるのは初となる、東京ミッドタウン日比谷。
日比谷にはお陰様で足繁く通っていますが、できた当初はペニンシュラのすぐ横のペニンシュラより圧倒的に高い建物ができるとは思ってもいませんでした。
ちなみに、この背景が撮れる場所から後ろを向くと、そこにはモモたちと邂逅した日比谷公会堂が。
 
阿知賀が手前におり、新たな時代の象徴が千里山を超えて聳える。そして、陰には支えてくれた練習相手がいる。
それが後半戦オーラスに入ることを告げる背景。
見る人が見なければ何ということもない背景でしょうけれど、私にはこの背景が非常に示唆的に思えました。
次のコマも、哩さん=阿知賀が破ってきた相手です。
このページには阿知賀編を思わせる要素がとても多かったです。
 
とりあえず、前回久が言っていた恐ろしい二局の内の一局は何とか終了。
しかし本当の地獄はここからだ、とベジータでなくとも誰もが思う照のラス親。
 
緩急が上手いですね。
ライバルたちのカットを刻んで刻んでの見開きドーンで、「相棒」と思っていたガイトさんを討ち取る巧みな和了。
 
南四局0本場 照、三色
阿知賀 121200
清澄 98600
白糸台 90400(+3900)
臨海 89800(-3900)

久の解説が入っていますが、久の言う通りの意味プラスあまり大きく一気に点数を上げたくない意味も込めての9s残しの8s切りでしょうね。
タンヤオ三色の40符は親だと7700なので、2600から7700だと能力的に微妙そうです。
 
この、相棒と思っていた相手からの直撃で、再会に陥っていた照が逆転しまたガイトさんが最下位に。
ガイトさんの表情には巧みな待ちだったことに加えてその辺の思いもありそうです。
 
そして、淡の思う通り更に和了を重ねる照。
 
南四局1本場 照、ツモ一気通貫
阿知賀 119100(-2100)
清澄 96500(-2100)
白糸台 96700(+6300)
臨海 87700(-2100)
 
この和了によって、白糸台が清澄を押さえて一気に2位に浮上。
玄さんとの点差は22600。
 
ここでとんでもない事態が発生します。
 
前局で2000オールを和了した照、次に和了する手は6400以上。
この土壇場、和了すれば阿知賀が先鋒戦一位抜けという最終局面で、玄さんにチャンス手が入ります。
 
ドラだけ来れば和了れる二シャンテン。
つまり3回ツモれば、3巡あれば和了できる、ツモタンヤオ三色ドラ6の倍満。
相手が連荘中の照でさえなければ、完全に個人戦3位のガイトさんでも追いつけないであろう速く強い手。
やはり今この瞬間、玄さんは限りなく高校生の頂点にいると言って過言ではないでしょう。
ここぞという所でしっかり応えてくれるドラゴンにもありがとうと私は言いたいです。
 
ただ、6400点縛りの照が早々に副露をして非常に速そうな気配。
 
玄さんっ…………!!
祈りを込めてページをめくる私。
 
そして、ここでまた玄さんがすばらな[決断]を見せてくれます。
 
最強の相手に対してこのオーラスまで一歩たりとも引く事がない、常に前傾で攻めの姿勢を崩さない玄さん……
 
大  号  泣。
感  謝。
感  動。
 
もし神がいるのなら前を向くものを好きでいてくれるはず!
ありがとう玄さん……!
ありがとう世界……!!
 
結果はロンでした。
結果だけみればロンでした。
 
開かれた手牌は、45789m西……
 
んん? 7m??
ドラの7mが照の手牌にある!?!?
玄さんのドラ支配が破られた!?!?!!?!?
 
大いなる驚きがそこにはありました。
流石にこれはミスなのではないか、だって玄さん以外にドラが行ってしまっていたら赤土先生ももう少し取り乱していておかしくないのでは、と思いました。
 
そして、dreamscapeにて無事にミスであった旨が報告され、一安心。
 
しかし、話はこれでは終わりません。
問題は照の手役です。
 
恐らく鳴いたのが役牌で、手は混一色。
もしドラがあればそれで11600でした。
 
しかし、ドラがなければこの手は5800止まり。
一気通貫が付いていれば、鳴きホンイツ+役牌+一気通貫で連続和了の条件を満たす11600点の手です。
 
ここで重要なのは、dreamscapeで描かれた修正後の手牌も
45789p
という並びだったことです。
そして、ガイトさんなどは割と手牌をランダムに並べる描写もありましたが、照はこれまで一度も理牌を崩した並びをさせていないということです。
 
もし仮に、これがしっかり一気通貫であるなら
 
南四局2本場 照、役牌混一色一気通貫
阿知賀 106900(-12200)
清澄 96500
白糸台 108900(+12200)
臨海 87700
 
という結果で玄さんも逆転されて白糸台が1位になったという結果ですが、私は立先生を強く信頼しているのでこの45789という並びに必ず意味が込められていると考えます。
 
阿知賀編8話で2600スタートした時は3回目の和了で終了したのでどこまで続けられるのかは未知数ですが、照は2000以上スタートしたことで、今までのような連続和了はできないのではないか。
 
その覚悟と、玄さんの高い手を察しての一鳴きからの和了だったのではないか。
多少遅れてもいいならメンホン+役牌or一気通貫で条件は満たせたものの、間に合わないことを察知したのではないか(全国編Vitaでは照には危険察知能力もある)。
 
サブタイトルの[決断]は、押すことを決めた玄さんに対して宛てがわれたものに見えて、実は裏では照の決断という意味も込められているのではないか。
優希と比した時に、常に攻めの守りを貫いていた玄さん。その真の能力は照魔鏡でもまだ見切れておらず、龍の勢いに気圧されて照も受け身な選択を選ばされたのではないか。
 
故に、
 
南四局2本場 照、役牌混一色
阿知賀 113300(-5800)
清澄 96500
白糸台 102500(+5800)
臨海 87700
 
これが現状の点数状況で、玄さんは逆転されておらず照の連続和了も途切れたのではないかという大きな希望を抱いています。
 
2019年を締め括る咲-Saki-の最後の1ページは玄さんでした。
玄さんしか描かれていないページでした。
こんな奇跡を体感して良いのでしょうか……
 
普通に見れば、連続和了でロンされ逆転された玄さん。
玄ファンにとっては絶望で終わる2019年、と思う見方が多くを占めると思います。
 
しかし、よく見れば表情も絶望というよりは意外性に対する驚きが強く出ているようにも感じます。
私はこの後連続和了が途切れた照、守りに入らざるを得なかった照を尻目に、誰よりも速く玄さんが和了して阿知賀が1位抜けする未来しか今は見えません。
 
2019年、吉野山で世界各地で吉兆とされる二重虹を見て始まった今年。
奇跡と呼ぶしかないような、龍の快進撃を目の当たりにし続けることができました。
ただ確実に言えるのは、類稀なる努力があってこそ、その手に掴んだ奇跡であるということです。
 
幾星霜もムゲンに読み返し、観返した阿知賀編。
そして待ち焦がれたその先にある決勝戦。
それがこんなにも、期待を超え予想を超え、最高を超える最高の展開で震え、滾り、歓喜の涙に咽ぶ内容とは……
 
いくら感謝の言葉を並べてもこの想いを伝えることはできませんが、本当に本当に本当にありがとうございます。
 
あまりにも、あまりにも幸せな1年でした。
 
単行本作業が挟まるので次回は玄さんの誕生月である3月となりますが、心は喜悦に満たされた安閑恬静。
20巻の表紙も内容的にも玄さん&吉野が来る可能性は非常に高いですし、世界に満ち溢れる輝きを両手を広げて賛美するような気持ちで穏やかに待ちます。