恐らく武術や格闘技を志した者なら、一度は目指すであろう究極の目標、『一撃必殺』。かくいう筆者も若い頃は一体どうすれば一撃必殺を実現できるのか、それが無理なら連撃必殺でも可とばかりに、とにかく相手を確実に倒すための必倒必殺を追い求めたものです。そして現役を退いた後も、武術ヲタクとして色々な武術や格闘技を研究してきました。その結果、たどり着いた結論は以下の三つ。
① 必殺と呼べるほどの破壊力を持つには才能がいる。ハッキリ言って流派よりも個人の資質による。
② それでも一つだけ、というなら柔道(柔術)。地面(アスファルトやコンクリート)という凶器を使える攻撃力は他の追随を許さない。
③ そして何より現代社会において必殺技など身に付けても、大して役に立たない。それどころか返って重荷になる。
とまあ、こんな感じでしょうか。①に関しては身も蓋も無い話ですけど。近接戦における戦闘力なんて個人の資質が全てと言ってしまえばそれまでですが、厳然として存在する事実です。強い奴は何をやっても強いんです。だからこそ弱い奴が最低限身を守るための「技術体系としての武術」が必要だと思っていますが、ここでは割愛します。
②については柔道(というか投げ技全般)の攻撃力はえげつないですよー。若い頃は打撃系ばかり持て囃していましたが、冷静に考えれば体落としや大外刈りで引き手を切られて投げ落とされたら、それだけで致命傷です。まして体を預けられたら受け身すら取れません。そして現代社会ではどこでも用意することが可能な必殺の“凶器”であるコンクリートやアスファルトの上なら余裕で死ねます。
そして何より③ですよ、マジで。「なに言ってんだ、お前」と突っ込まれそうですが、一度武術の道に足を踏み入れると、どうしても追求したくなる浪漫の一種なんです、一撃必殺って。技術はもちろんのことですが、最低限の(人体)破壊力が無いと武術そのものが成り立たない、というのが自分の考えでしたから。
でも冷静に考えてみると、そんな物騒なもんどこで使うねん? って話なんですよね、マジで今更ですが。車で例えるなら500馬力のスーパーカー。時速300キロ出せます、わぁお、すごぉい……でも今の日本のどこでそんなスピード出す必要がある?&出せる場所が有る?って感じですよ。一撃必殺の攻撃力は非常に凄いと思いますが、恐らく現代日本においては一生使う機会がない------むしろ使わないで済む方が幸せというとこでしょうか。
以上。昔、一撃必殺に憧れた武術ヲタクの戯言でした。いや、ガチで戯言。