最近、悩みすぎて

白髪が増えた。

 

髪の毛を明るく染めているのは

実は白髪がすごいからである。

 

その悩みと言うのは明確で

 

最近、社会全体が

LGBTsを叩く風潮になっているという点。

 

ここまで読んだ方の中でも

「チェッ、なんだ、またLGBTの話かよ」と

読む気が失せた人もいるかもしれない。

 

そういう人も、まぁ、嫌じゃなかったら

このまま読んでもらいたいと思っている。

 

頼んでもいないのに

「LGBT理解増進法」

というわけのわからない法案が可決された。

 

わたしは当事者なのだが

正直、こんな法案はいらないと思っている。

大反対だ。

 

 

女性たちが懸念する

 

「こんなのできたら、男性器のついた人が

女湯に入ってくるかもしれないじゃないですか!?」

 

「女装した男が、女トイレに入って来て

悪さしたらどうしてくれるんですか」は、ごもっともである。

 

 

さぁ、こんな発言が聞かれるようになって

 

もう、心臓がえぐられるように痛いのが

 

「MTF女性」と呼ばれる

 

身体が男性、心が女性のトランスジェンダーたちである。

 

もちろん、その逆であるFTMの私も痛い。

 

痛いというか、全身まる焼け、大やけどしてヒリついていると言う表現が

正しいかもしれない。

 

 

わたしと最近知り合った方は

20代のギラギラした(笑)「僕」を知らないだろうから

一応補足すると

 

私は22歳でクリニックに通いだし性同一性障害の診断を受け

23歳で、男性ホルモンの治療を始めている。

胸を平らにする手術を24歳で受けようとした矢先

先生が急死した。その界隈では有名なK先生である。

 

さて、タイに渡って手術をするか?

悩んだが、2つ大きな壁があった。

 

1、金がない

 

当時、貧乏役者だったので全く金が無かった。

むろん、タイまでの旅費も治療費も無かった。

 

2、風呂問題

 

当時、風呂無しのアパートに住んでいたので、銭湯に通っていた。

(普段はコインシャワーや公園の水浴びで済ませていた)

乳房を切除すると女湯に入れなくなる。

そして今後も…下を手術しない限り

男湯にも入れず一生、銭湯に行けなくなるというリスクが発生する。

 

 

「男になりたい」と「銭湯に行きたい」

を天秤にかけた時

 

 

「銭湯に行きたい」が勝った。

 

 

…正確には「どう頑張っても、完全な男にはなれない」ので

「身体は女のままでいよう(嫌だけど)」と決めた。

 

 

ここまで書いて断言する。

 

 

世の中のトランスジェンダーの大半は

そんなことは当たり前にわかっているのである

 

 

だけど、人間には色々いる。

 

この「理解増進法」ができたせいで

 

「みんな理解して!私は身体は男だけど心は女の!

だから女湯に入るわ!だって国が認めてるじゃない!」

 

という人も出てくるかもしれない。

 

 

 

わたしは過去に

トランス女性の入浴について

ご本人に意見させていただいたことがある。

 

 

私は銭湯で清掃のバイトをしている。

週一だし、朝だけ。

 

詳細は省くが

 

その日は人手が足らず

営業中に出勤していた。

 

 

髪の長い女性が歩いてきた。

 

表のコインランドリーを掃除していた私は

 

気が付いてしまった。

 

 

「あ、MTFさんだ」と。

 

 

 

「あのう…」と声を掛けられた

 

「ワタシって…どっちに入ったらよいでしょうか…」

 

 

 

私に声を掛けてくれてありがとうございます!!!と思った。

 

 

私は素直に

 

 

「SRSはされてますか?」と言った。

 

 

専門用語にびっくりしたようで

 

 

「いえ、まだ手術は」と答えられた

 

「では、大変申し訳ないのですが、身体の性別の方にお願いします。男湯ですね」

 

「びっくり…されませんかね…」

 

「うーん…される方もいるかもしれませんが、女湯に入ったらびっくりどころではなく…通報されてしまいます…すいません」

 

 

「そうですよね…わかりました…」

 

 

…その方は、外でメイクを落とし

 

男湯に入っていった。

 

 

その際、自分のことも話した。

言わずにいられなかったからだ。

 

自分も過去に似たような状況で

銭湯のおじさんに「どっちに入ったらいいか聞いた」こと

 

そして

 

「あなたの今の心境が、自分の事の様に痛いほどわかる」ということ

 

 

 

フロントに一緒に入って私が説明した。

 

 

銭湯から帰る際

 

「いいお湯でした(*^-^*)ありがとう!」

 

と言ってもらえて

 

嬉しかった。

 

 

 

 

もう少し、風呂の話をする。

 

 

 

 

 

SRS(性別適合手術)をしても

骨格までは変えられない。

 

たとえ身体が女性になったとしても

「見た目」でお断りする場合もある。

 

 

トランス用語で「パス度」という。

 

 

私は「パス度」があまりに低かった。

 

 

男性ホルモンを打って筋肉もついたし顔立ちは男性に近づいた。

声も低くなったけど

 

見た目は「中学生の少年」のようだった。

新宿(当時のバイト先)を歩くと警察に補導されていた。

 

男性としては見られていたが

 

24歳の男性には見られなかったから

 

「パス度」はかなり低かったのだと思う。

 

 

 

当時、杉並区高円寺に住んでいた。

 

前に書いたように、家に風呂が無かったので

銭湯に時々、通っていた。

 

風呂屋の主人には事情を話して

理解してもらった上で

 

女湯に入っていた。

 

 

「演劇をやっていて、男役をやるので髪が短いです。

身体は女です。どっちかに入れますかね?」

 

 

髪が短いのは演劇の役作りのせいにした。

 

 

高円寺には、役者、芸人、ロックンローラーなどがおおく

また、ゲイもオカマも多かった。

(この時代はトランスなんて言葉はないからオカマオナベと自分たちを呼称していた)

 

 

私はオナベと呼ばれていた。

 

 

銭湯で「自分はオナベで」というと入浴を断られそうだったから

噓をついた。

 

ちなみに、「女性の裸をマジマジ見られて羨ましい」とか言う人いるんだけど

あれは違う。

 

なるべく見ない様に…申し訳ないので、見ないようにする、

これがオナベの常識だし

 

僕だって、本当なら男湯に入りたい。

そっちのほうが気楽だから。

 

 

 

 

 

……長々書いてしまったが

 

 

世の中のトランスジェンダーは

「心の性」で入浴したい!!!させてくれ!!!

というわけでもないことを伝えたかった。

 

 

風呂屋に来るトランスジェンダーの気持ちは

 

「とにかくデカい湯船につかりたい!!!」

 

 

それだけ。

 

 

 

「異性のハダカを見たい」

 

 

 

 

というのは

 

 

 

純粋なトランスジェンダーとはまた違うんじゃなうかと感じる。

 

 

中にはそういう人もいるかもしれないが

 

 

はっきり言って

 

 

女湯にいる女性たちは

 

めちゃくちゃ監視の目が鋭いからすぐバレます

 

 

(男性はあまり他人のハダカを見ない傾向がある ※一部除く

 

女性は他人のハダカ、まじまじ見てるよ、本当に)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、長くなりましたが

 

ここからが本題。

 

もうすぐ終わるから、もちょっと付き合ってほしい!!

 

 

 

 

こんな世の中になってしまったから

 

 

今、描こうと思っている新作紙芝居に

 

 

迷いが生じるようになった。

 

 

 

「シン・デレラ」という

 

構想1年の紙芝居だ。

 

 

 

女の子っぽい思考をもつ男の子のデレラが主人公だ。

 

 

旭川の音次郎さんが素敵な脚本を考えてくれて

それを形にして

 

 

沼津に持っていくつもりだった。

 

 

 

 

 

日本全国(海外も)から

 

紙芝居実演者が集まる

 

年に一度のまつりだ。

 

 

今度の土日だ。

 

 

今から描けば間に合うかもしれない。

 

 

でも、やる勇気が出ない。

 

 

 

 

もし、紙芝居でこんなことをやって

 

LGBT〇ね!気持ち悪い!

 

 

と石を投げられたらどうしよう。

 

 

大会の名前に傷をつけてしまったらどうしよう。

 

 

 

そういう懸念がぬぐえない。

 

 

 

 

だから今日は長いブログを書いた。

 

 

 

 

みなさん、どう思われますか?

 

 

 

今、毎日このことばかり考えている。

 

 

 

 

 

 

 

ここまでお付き合いありがとう。

 

 

おしまい。

 

 

 

 

とら