昔から、本の匂いが好きだ。


新書のツルツルした
やわらかく
甘い香りも好きだが


古書の
あの、ざらっとした
わずかに
カビの臭いがする

ああいう本も
なかなか良い。


古書の魅力は
田舎のじいちゃんの
本棚で知った。




母が若い頃に買ったという
「アンデルセン童話集」の匂いが
気に入った。




「誰かが読んだ形跡のある本」も
たまらなく好きで

線なんか引いてあると
ニヤニヤしてしまう。



「誰かが使用した形跡のあるもの」
フェチかもしれない。







だから

「レトロ」

とか

「古道具」

とかも

好きで


そのフォルムを何回も
見返したくなるので



ついつい
写真に撮ってしまう。









神保町に行ったのは
実に6年ぶりぐらい。


以前、神田で働いていた時は
仕事帰りにふらっと
歩いて寄ったりしたけれど


なかなか、そうそう、
行くところではない。



『さぼうる2』で遅い昼食を食べた。






ナポリタン。

トレーが
持って帰りたい程
美しい。







「神保町でカレーを食べよう」


さっきまでそう思っていたのに


誘惑には叶わなかった。



レトロな喫茶店では



ナポリタンが食べたくなる。




今日は
真っ白な無地のTシャツだけど


ここで食べなかったら
後悔すると思った。



正解だった。











神保町
古書

なんて書くと


私は
「文学少女」
みたいに思われるかもしれないけれど


真反対である。




活字が苦手である。




私には集中力がない。




本を読んでいると

いろんなことが気になってしまって

1ページ読むのに

大変な時間がかかる。








でも、それは

「興味が無い本を読んでいた」
からだとわかった。






その証拠に


紙芝居などを書くときに

資料として用意した

分厚い文献などは

サッサと読める。


しかも、メモを取りながら

重要なところを

一瞬で見定めるような

能力さえあるということを

自負している。





一方で


「他人から薦められた本」
「今、話題になっている本」
「なんかの課題で読む本」


は、てんで読めない。









…今日は

「ある本」
を探すために

神保町へ行った。





そう






推し



の関連書だ。













「ナンキー」





である。












ちなみにこの眼鏡は
「伊達」である。


かっこつけ男子である。


こういうところも大好きなのだ。











作業机に
ブロマイドを飾ってしまう程

大ちゅきなのだ














新美南吉関連書を



色々探していた。














…そして
これが





今日の戦利品である!!!







左から

『詩と童話について』(与田凖一著)

『花のき村と盗人たち』(新美南吉著)

『或る児童文学者の生涯
~知られざる新美南吉~』(後藤隆葉著)




…最後の
『或る児童文学者の生涯~』なんて

発見したときは
生唾ものでした。


もう、
「南吉しか、勝たん!」
という南吉狂が書き上げた
渾身の同人誌!!!

って感じの内容で



「えっ…なにこれ…すご…(鼻血)」


みたいな内容。


語彙力の崩壊。









今、神保町にある
ナンキー関連書は
全部私が買い占めたぜ!!!



…という迄はいかないけども

結構、ハシゴした。












個人的にオススメの




『虔十書林』




理由は…言わずもがな









ここで出会った



与田凖一の本。

もちろん、南吉さんのことも書いてある。

即買い。


浜田広介、
小川未明、
坪田譲治、
松谷みよ子…

他…




日本童話史に刻まれた
あの人この人が
与田凖一の言葉によって
紹介されている。




よくまぁ、


あの、宮沢賢治だらけの書棚の中で


この一冊を発掘したなぁと


自分を誉めてやりたい。




多分、南吉さんが私をm…














他には












マステ
「ごんぎつね」
「雨ニモマケズ」






フレークシール


「猫の事務所」
(大好きなやつ!!!)




「雪渡り」とか…




「注文の多い料理店」
(激カワ!!!)






などなど…


ついつい浪費してしまった…








いいんだ。いいんだ。







これは私の生きる


糧になる。











今日、神保町に行ったのは





午前中に
お茶の水の病院に行っていたから。






コロナウイルスと併発し

中耳炎になって

鼓膜を切開し

水を抜いた。





まだ、左のほうは

塞がっていなかった。






聴覚が過敏になっている

こういう時は

感覚がなんだか

冴えていたりする。







ようやく涼しくなってきたし



公園のベンチで



読書に浸りたい



そんな9月。



















とら