今日明日で義父が亡くなるかもしれない
 

あまりに突然のことで
誰もが混乱していましたが
気管切開をするかどうか
結論は早く出さなければいけない




現実的なことを考えると
今、義母はおばあちゃん(義父の母)の面倒も見ていて、それだけでかなりメンタルえぐられてるようなので
さらに義父の介護となるともう不可能だろうなと思いました


義母も
『かわいそうだけど、お父さんも迷惑かけてるとずっと思いながらただ寝てるだけの人生はつらいと思うから、私は気管切開はしなくていいと思うのよ』
と泣きながら話していて

ずっと義父と生きてきたのも義母で
これからケアをしていくのも義母になるのだろうから、私は義母の気持ちが1番大事だと思いました
その決断は誰にも責められるものではないと思います


どう思う?と聞かれて
私には決断はできないけど
『自分だったら寝たきりで周りに迷惑をかけながら生かされるのはいやです』
としか言えませんでした

でもそれも健康な今だから言えることであって、実際自分が死ぬか死なないかという段階になったらまた考えが変わるかもしれない…


義妹は
それは頭では分かってるけど
それでも1日でも長く生きてほしい
できる手術で延命できるならさせたい
と思っているようでした


義母も
『私だって…あの人がいないと生きていけない!』
と泣いていたのが印象的でした




そこに、ゴルフを切り上げて帰ってきた夫が到着しました


夫も、母さんの気持ちを1番優先するのがいいと思うと、泣きながら言っていました
昔、母に恩はあるけど父にはないから死んでも泣かないと思うとか言ってたけど
めちゃくちゃ泣いてました





みんな、答えが出ず




そこへ看護師さんが来て
今からご本人に会えるとのこと

本当はコロナだし、面会はできないけど
緊急事態ということで許可が出たようです


みんなでマスクを二重にして
帽子を被って
手袋をしてエプロンみたいなのをして
目にもガードみたいなのをして
 

集中治療室に入りました





義父は色々呼吸器とか繋がれていたけど
意識はしっかりしていて
会話もできました


『どうなの?』
と聞かれても
『平気だよ』
と答えていました

酸素濃度85くらいだったし
平気ではないです、と看護師さんも苦笑い


でもあれ?話より元気そうだぞ
本当に今日明日でどうこうってことになるのかな?


みんなで『お父さん頑張ってね』と声をかけてもなんのことかあまりピンと来てない様子
喉が渇いたから飲み物買ってきてくれ、と…

すると義母が
『あんた今どういう状況かわかってるの?
喉が渇いたって、点滴してるから大丈夫なのよ!
あんた自分が思ってるより悪いんだよ!
もう死んじゃうかもしれないんだって!
気管切開すれば生きれるかもしれないけどずっと病院で寝たきりで管に繋がれたままだよ!どうする?それでもいい?そんなことしたくないよね?』

と畳み掛け…


え…それ本人に言うんだ…
すごいな…と思いました
(色々あって最近義母には引き気味な私)

パワーバランスで言えば義母が強くて
義父は優しいけど気弱な感じではなくドンと構えている感じなのでいつも通りなのですが

そんなことしたくないよね?って強要するのは違うような気が…
それは義母の気持ちであって…



すると義父は
『そうなんだ、するよ手術』

『どういうことかわかってる?
手術したってもうずっと寝たきりで、話もできなくなるしごはんも食べられなくなるんだよ?それでもいいの?そんなの嫌だよね?しなくていいよね?』


(すげーな、義母…)



義父『う、うん…しなくていい』



夫『まぁさ、俺らもいると父さんも照れとか意地とか出ちゃって本音が言えないだろうから、母さんと2人で話しなよ』

(それは義母のゴリ押しで終わるのでは…)



そして夫、義妹、私は退室しました
手を握ったけど力強くしっかり握り返してくれて本当に今日明日どうにかなるとは思えませんでした




結局、(おそらく義母のゴリ押しで)気管切開はしないことになりましたが私はそれでいいのではないかと思いましたし、夫も納得していました

義妹だけは、手術するって自分で1回言ったことが気になってる、と言いつつも
両親の決断ならそれでいいと思うとも言っていました





多分どうこうなるなら今日か明日なので
夜中でも電話がとれるようにしておいてくださいと言われ
みんなで入院手続きの書類などを書いていました


私は弟くんがもうすぐ帰宅してしまうので
ギリギリまでいましたが一足先に帰りました



心がもやもやして
もう義父に会えないかもしれないと
信じられない気持ちで電車に乗りました


現実的なことを考え
それが2月1日で
お葬式とかになったら
2月4日は兄くんの誕生日で焼肉屋さん予約して食べに行くのをすごく楽しみにしてたけど、無理かもしれないなぁ
とか
7日から学校行事のスキー教室だけどそれも無理かもしれないなぁ
でも仕方のないことだし
しっかり兄くんに話さなくてはと考えていました
うまくいけば一泊しかできなくても私が連れて行こう…とかも考えました




つづく