大会や例会で事前申込制にするということは、事前に準備する時間を確保できるということです。これを駒組みに例えるなら、こういう準備ができるということです。(私の棋力が低くて、この程度の駒組みしか思い浮かびませんでした。もっと良い駒組みがあってもご容赦ください。)

一方、当日申込制にするということは、何人参加するか受付終了時刻まで確定せず、人数が確定してからごく短時間で完璧な (誰が見ても確率的な指摘が出てこない) 準備をしなければならないということです。これを駒組みに例えるなら、準備時間が不足してこれだけの兵しか招集できなかったという感じです。

どちらが勝ちやすそうですか?

大会や例会の運営側に充分な力があって当日申込制を採用しているなら、私が口をはさむことではありません。しかし、運営側にその力がないのに参加者が当日申込制を希望することは、後者のような開始局面を強いていることと同じです。そして、後者のような局面から対局を開始して負けても、その責任は運営が背負うことになります (すごくきつい批判を大会後も受けることになります)。

そんな状況でも大会運営・例会運営を引き受ける人はどれくらいいますかね? 私なら絶対に引き受けません (というか、支部役員そのものをやめます)。

地域によって異なると思いますが、充分な力がない地域で当日申込制を望むと、その地域の将棋文化は緩やかに、そして確実に衰退していくでしょう。

人口減少や電子遊戯の普及など、将棋界が衰退する要因になりうるものは色々あると思いますが、その中でも当日申込制はかなり大きな要因の1つです。