「大人の方に将棋界へ来てもらうために」に comment をいただきました。

その中に 「毎回先生と強制的に4枚落ちで対局させられる」という記述がありまして…将棋界の一員として私は申し訳なく思います。


将棋の楽しさって、同程度の棋力の相手と対局することだと思うんですよ。こちらは頭脳を目いっぱい使って、相手も頭脳を目いっぱい使って、「やった、私の読みの方が深かった」とか、「ああ、気づいていなかった…」とか、そういうやりとりが将棋の楽しさの中心にあると思います。

で、棋力差がある場合にどうするか。私が子どもと対局するときは、その子どもの級友になったつもりで、盤面の形勢を考慮しながら、その子にとってちょうどいい手ごたえになるように指します。

もう1つの方法が駒落ちでして、上手が手ごたえをあまり調整しなくてもいい代わりに形勢が最初から傾いています。


で、どれくらいの手合いがよいかという話です。

私の支部に子どもが来たら、子ども自身に選ばせます。選べない子には、とりあえず10枚落ちをすすめています。

それでも、子ども相手だと10枚落ちですら危険なのです。もっと言うと、19枚落ちでも危険です (今までに何度も紹介していますが、こちらの動画をご覧ください)。私の支部では「19枚渡し」の選択肢を用意しています。

大人の方であっても、最初は9~10枚落ちか、もっと枚数を落とすのがよいと思います。


先ほどの動画で対局している父親もそうなのですが、将棋界って、将棋に興味を持ってくれた人をガンガン切って捨てるような、そういう人が少なくない気がします。


先ほどの動画、今日久しぶりに見たのですが、今見ても胸が苦しくなってきます。

将棋嫌いを生み出す要素が色々なところに散りばめられているのですよ。こんなことをやったら子どもは将棋が大嫌いになるに決まっています。それでもこの父親は「どうすれば、好きになってくれるんだろうな。」と書いているのですから、自分は将棋の普及活動をしたつもりなのでしょう。

いや、ほんと、この動画は全ての将棋関係者に見てもらいたい動画です。子どもに対してこれほどひどいことをして、なおかつ「どうすれば、好きになってくれるんだろうな。」などと述べている動画を、私は他に知りません。


ホント、普及と真逆のことをしている人に色々理解してもらうのって、どうしたらいいのでしょうね…。