24365 という数値、見たことありますか? こちらに説明があります。
24365とは、24時間365日の間サービスなどのサーバーを監視したり、様々な運用・保守をするサービスです。
これを外注すれば費用が発生しますし、社内など自前でやれば人件費が発生します。読み進んでいくと
単純計算ですが、人件費のみの運営コストで、200万円/月を超える計算となります。
と書かれています。
私としても「そんなものだろうなあ」と感じます。
24365 そのものを外注するのではなく、24365 によって支えられている services を利用するだけであれば、かなり安く済みます。
私が所属する支部は、RESERVA を無料の範囲で利用しています。RESERVA としては「顧客数が増えたりしたら有料契約してほしいから、まずは無料で利用してね」というところでしょう。
料金表を見ると、月当たり11000円の Gold plan で世の中の殆どの予約受付業務は用が足りそうな感じです。RESERVA としては、Gold plan で数百件の契約があれば 24365 が一応可能になるでしょうし、我々の支部もそうやって成立している RESERVA のおこぼれで無料の範囲で使わせていただいています。
…ということを前提知識として、次の話に進みます。
ここ数日間、台風10号が首都圏以西にかなりの影響を与えていました。
で、ふと気になって、首都圏を水害から守る施設の1つである、俗にいう「海底神殿」(首都圏外郭放水路) のことを調べていたら、なんと見学を受け付けているではないですか。
受付方法として web (RESERVA) と電話 (9:00~16:30) の2つが示されています。そして電話受付の説明として
※電話の回線数に限りがあるため、時間帯によってはつながりにくい時がございます。
と書かれています。
これは当然の話で、電話受付をすると人件費がかかるのです。1回線ごとに1人は必要ですから、簡単に回線数を増やすこともできません。上記のような説明があるということはおそらく過去に「電話受付がなかなかつながらない、どういうことだ」という不満を言った方がいたのでしょう。
さて、ここで先ほど 24365 には人件費だけでも最低で月額200万円かかるという話があったことを思い出して下さい。上記の電話受付にはどれくらいの人件費がかかるでしょうか。
労働基準法第34条により、7時間半 (9:00~16:30) 連続の業務を1人に任せることはできません。最低でも2人必要です。電話受付に専門技能は不要であると仮定しても、最低賃金が一番安い秋田県で考えても支払い給与だけで1日7133円かかります。交通費なり労災保険なりを考えればもっと必要です。さらには shift 調整というかなりの手間も発生します。
言い換えれば、電話申し込みをする人がいると、それだけで受け付ける側は最低でも上記の金額の出費があるわけです。
で、町内会などではよくある話なのですが、「そんなの、みんなで分担すればいいだろ」なんて言い出す人がいたりします。(幸い、私の町内会ではこういうことを言い出す人は殆どいなくて、代わりに連合町内会にはいたのですが、連合町内会が無配慮に仕事を各町内会へ下ろしてくるため、町内会役員はかなり苦労しました。)
こういうことを言い出す方はほぼ例外なく定年退職世代の方でした。自分たちが一日中暇にしているから他人もそういうものだ、と思っているのかもしれません。人件費 (に相応する時間的な負担) という概念がほとんど欠け落ちているのではないか、なんて思ってしまいます。
将棋大会・例会の申し込みを web 中心にすること、電話受付をしないこと、には上記の通り運営側の負担量に大きな違いがあります。
もっとはっきり言うと、将棋界の人員に余裕がある県・地域を除いて、大会・例会の申し込みは web を中心にしないともうなりゆかなくなる時期にきています。
web 申し込みとそれ以外の申し込みとでは、運営側の負担が何倍も異なります (私の体感では数十倍異なります)。
「将棋大会・例会の運営ができる後継者がいない」なんて声をよく聞きますが、殆どの場合は「後継者がいない」のではなくて「時代に合わせて運営負担を楽にしていない」だけだと思います。
例えば、web 申し込みが苦手な方に対して、web 申し込みの作業を教えてあげたり手伝ってあげたりしていますでしょうか。そこに手間をかければ、その分将来の運営負担が大きく減ります。「高齢者スマホ教室」などと考え方は一緒です。