囲碁の関達也三段による「関の囲碁旅」という取り組みを見つけました。

今、詳細を書く時間はないのですが、もし今誰かから「将棋界・囲碁界を通して最も普及に貢献している棋士は誰だと感じていますか?」なんて質問を受けたら、関達也三段と答えると思います。それくらい、私は「おお、とても良い取り組みだ」と感じました。

普及の量的な側面を見たら、発行部数が多い丁寧な入門書を書いたとか、八冠を獲得して恒常的に話題を社会へ提供しているとか、もっとすごい人はいると思います。もちろんそれはそれですごいことなんですが、関三段の取り組みはまた別の領域に寄与しているのです。

例えば、周りに経験者が1人もいないけど将棋を指してみたい・囲碁を打ってみたい、という子どもはまだまだそこそこいると思います。でもそういう子どもが将棋・囲碁を体験できる場所があまりありません。日本将棋連盟や日本棋院や関西棋院の支部がそこを充分に担うことができればいいと思いますが、他の支部などの良い取り組みの蓄積は (恐らく将棋界でも囲碁界でも) 不充分であり、また長期的には衰退傾向があります。

関三段の取り組みのよいところは、支部などのよい取り組みを関三段が実際に訪問して情報発信してくれ、また訪問の際に指導対局の機会を提供している点です。

囲碁界の詳細は分かりませんが、将棋のプロ棋士は関東大都市圏・関西大都市圏に住んでいる人が大多数だと思います。研修会をお世話するプロ棋士が札幌・名古屋・福岡についてくれることを考えても、それ以外の大多数の地域ではプロ棋士の指導対局を受けられる機会はあまり多くないものと思われます。

すみません、語りたいことはまだあるのですが、やっぱり時間がありません。とりあえず「関の囲碁旅」を知ることができただけでも、私が囲碁界の情報を少々集めてみたかいがあったと言えます。

将棋界も囲碁界も長期的な衰退傾向を抱えていますが、将棋界だけではなく囲碁界にも何とか生き残ってほしいです。関三段の取り組みだけで結果が大きく変わったりはしないと思いますが、それでも1人のプロ棋士が取り組める活動としては大変良いものではないかと思うのです。