石川県の寺将会の松浦さんの note 記事「中倉代表に聞く女子アマ王位戦の魅力」

これ、女性への普及に関するとても重要な見解が含まれているように感じます。以下、引用します。

男性に比べて競技人口が少ない女性にとっては、同性の将棋仲間を作っていくことは非常に大きな比重を占めるんじゃないでしょうか。

多分そうだと思います。

女性が1人もいない集団に加入することと、既に女性が存在する集団に加入することは、覚悟がかなり異なると思われます (男性には想像しにくい感覚なのだろうと推測します)。

次は kids' space について。

SNSでも「子供ができるとどうしても大会参加はハードルが高くなる、でもこうしたサービスを考えてくれるだけでも、(参加していいんだ)と後押しされるようで嬉しい」というコメントがありました。

これはとてもよく分かります。子ども大会でも、将棋が指せる年齢にない息子・娘 (参加者の弟・妹) がいると引率するだけで大変だ、というのがよく分かります。下の子が愚図るとすぐに会場外へ連れ出してあやしている保護者をよく見かけます。

母親自身が将棋大会に参加しようとすると更に大変であることは想像に難くないです。父親が同行して子ども達の相手をしてくれるなら大丈夫ですが、そこまで好条件な家庭はあまり多くない気がします。

本文中には保育士の手配の話もあるのですが、運営側にとっては費用面でそこそこ辛いですよね。乳児だったりすると、保育士1人で面倒を見ることができる人数にもかなり制約が強くなります。

交流会中に指導対局は一回は必ず楽しんでいただけるようにしますが、そもそも交流会に参加される方はガチで指導を受けたい、って人ばかりではないような気がしてるんですよね。それこそおしゃべり主体の交流目的だったりとか。

これも、将棋界の平均的な男性の感覚からすると、理解が難しい気がします。

私、女子会に呼ばれたことは1回しかなくて (男性が参加したらそれは「女子会」ではないかも知れませんが、「男性1人を除いて全員女子の会」ということでご容赦下さい)、そこからの推測なので的外れなことを言うかも知れませんが、女性にとっておしゃべりの重要性はかなり高い (わざわざどこかに行くならそこにおしゃべりが含まれていてほしいと期待している) と思います。

男性にも分かりやすい例は、映画館かと思います。

映画館 将棋大会
1人で映画を観る。見終わったらあとは帰宅するだけ。 1人で参加する。敗退したら (または優勝したら) あとは帰宅するだけ。
複数人で映画を観る。見終わったら帰宅する。 知り合いも参加している将棋大会へ自分も参加する。敗退したら (または優勝したら) あとは帰宅するだけ。
複数人で映画を観る。見終わったら共通の話題 (映画の内容) を元に喫茶店でおしゃべり。映画の内容が良くても悪くても会話が弾む。 知り合いも参加している将棋大会へ自分も参加する。大会でもおしゃべりの場・雰囲気が確保されている。対局の内容が良くても悪くても会話が弾む。

女性にとっては上から2段目と3段目とで効用 (満足度) がとても異なると思われます。男性だって、映画館を出た後に感想を言い合える友人がいたら楽しいでしょう。

さらに、おしゃべりのお供に美味しいおやつを用意してるんですよ。女子会っぽくないですか笑
極論、交流会では将棋を指さなくてもOKです。もっと言っちゃうとルールを覚えていない方でもOKです。交流を通じて楽しい時間を過ごしていただけたらと思ってます。

これもよく分かります。余力があったら実現したいです。

問題は…参加人数が読めないと大きな赤字を出してしまう点です。シャトレーゼの100円ケーキを利用すればあまりお金をかけずに「その場で選べる」雰囲気を出せると思うのですが、あれって事前予約制なので、予約時点で人数が分からないときついです。


あと、完全に女性限定でなくても、「執事喫茶」の雰囲気を作り出すことができれば多分それなりのことができそうに思います。問題は「執事喫茶」のうち必要な成分をどうやって抽出して将棋の催事で再現するか、なんですよね…。

執事とはちょっと違いますが、会場の全ての男性がこの写真の外装・雰囲気でいたら、少しはいい感じなる気がします。

多分、「私は『従者』ですよ、主役はあなたですよ」を発することができる男性だけが、その場の存在を許されるでしょう。女子会の会場となる店に男性店員がいても邪魔にならないのと同じ理屈です。


…すみません、成人女性に対する普及策を考えることはやっぱり難しいです。