そういえば名人戦は佐藤天彦名人が羽生永世七冠の挑戦を4勝2敗で退けて防衛して、名人通算3期になりました
今回の名人戦は佐藤天彦名人の強さが際立ち、途中羽生永世七冠の悪い意味での探究心も出て(負けた方の定跡に挑む)、佐藤天彦名人が4勝2敗で勝ち、羽生永世七冠のタイトル通算100期はお預けになりました
今回の名人戦で私が考えさせられたのは佐藤天彦名人が名人戦まで不調で勝率も4割台で他のタイトルの獲得もなく、一方の羽生永世七冠は棋聖戦と後半は同時進行になり、さらに国民栄誉賞受賞や永世七冠になったことで将棋以外のスケジュールも多忙なことです
要するに佐藤天彦名人は名人戦一本に絞って、とっておきの研究や新定跡をぶつけれてモチベーションや体調も名人戦に集中できたことで、これはこれですごいことですが現役名人として他の棋戦での成績を見るとすごく物足りないことです
これまでの名人は将棋界の第一人者で木村義雄十四世名人、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人はまさに第一人者の強さや活躍を見せていました
名人というタイトルは将棋の歴史そのもので特別なタイトルで昔は「将棋の神様に選ばれた棋士がなれるもの」というイメージがあって、古くは升田幸三実力制第四代名人や加藤一二三九段や米長邦雄永世棋聖がなかなか獲得できずに苦労した特別なタイトルです
これが谷川九段が20歳で名人になってからなかなか中原米長時代で名人以外のタイトルが取れず、羽生世代が登場してからは結構羽生世代で名人が変わって森内羽生時代になったので特別感は薄れました
それでも羽生世代はやはり永世名人を2人輩出していますし逸材揃いだったので、まだ名人のブランドはギリギリ維持できたと思います
それが今の佐藤天彦名人は獲得したタイトルが名人だけで、さらに渡辺棋王の子分のイメージもあってここ最近はタイトル挑戦もなく、勝率も4割台でさらにポナンザに手合い違いの完敗の2連敗のイメージもあって、将棋界の第一人者とは程遠い感じです
今の将棋界はデジタル化が進み、さらに将棋ソフトがプロ棋士よりはるかに強くなってプロ棋士の研究レベルがかなり高くなったようなので、若手プロ棋士でタイトルを近年獲得した人達もその獲得したタイトルを守るのが精一杯なのかもしれないですが、やはりタイトル保持者はそのタイトルの顔なので他の棋戦でも活躍しなければならないと思います
そういえば若手棋士でも勝率が高く棋戦に関係なく勝ちまくる豊島八段や永瀬七段がいつも後一歩でタイトル獲得できないのも、一つのタイトルに集中しないからかもしれないです
そして佐藤天彦名人は今の調子なら永世名人5期は行きそうなので、これから他の棋戦でも勝って勝率を名人に相応しいレベルにして他のタイトル獲得をして名人のブランドを復活させてほしいです
今の名人は他のタイトルと変わらない印象で、名人の歴史を感じなくブランドも落ちた印象です
今後の将棋界に注目しています