自動ジグリング器:お問合せにいただいたご質問 | ジグリング(びんぼうゆすり)の話

ジグリング(びんぼうゆすり)の話

びんぼうゆすりは、医学用語でジグリングと言われています。近年、ジグリングの効用が注目されていますが、このブログではジグリングの効用について様々な観点からご紹介をしてゆきます。

1年ほど前から股関節に違和感を覚え、

最近になって夜間痛に悩まされるようになった方からご連絡をいただきました。

お話を聞くと

整形外科クリニックにも受診をされ、

痛みがひどいときには整体にも行かれておられるとのことでした。

 

整形外科での診断は、

進行期から末期とのことですが、

明確にはわからないということでした。

 

レントゲンを撮られたとのことでしたので、

股関節の裂隙の状態(関節の隙間:軟骨の状態)についてと

臼蓋形成不全に関する所見について医師の診断をお伺いさせていただきました。

 

関節裂隙については、軟骨にあたる箇所が少し少ない、

それと臼蓋形成不全については、それほど問題ないと思うとの診断を受けたということでした。

 

この方からいただいたご質問は主に以下の3点でした。

①ジグリングが股関節症に良いと聞いたが、私にも効果はありますでしょうか。

②痛みはなくなるでしょうか。

③整体に行っているのですが、やめた方がよいでしょうか。

 

①と②については、関連ありますので、①と②についてのお話として、

ジグリングの効果については、変形性股関節症末期の患者さんについては、30~40%の方に改善がみられるとの報告がある旨をお伝えさせていただきました。

特に大切なポイントは、臼蓋形成不全の程度であることもお話させていただきました。

ジグリングの最大のポイントは、股関節周囲の疼痛の緩和ですが、

稀に、ジグリングをすることで痛みが増加することもあることもお伝えいたしました。

これは、関節に炎症を起こしていることが主な原因と言われていますので、ジグリングによる保存療法を行う際には、医師の経過観察をお勧めいたしました。

 

医師からは、初めから手術を勧められましたが、手術はどうにか避けたいとの思いもあり、

ジグリングによる保存療法で取り合えず今の痛みだけでも軽減できれば、とのことでしたので、ジグリングによる適応がある、なしの判断を自動ジグリング器のレンタルプログラムで考えられたらどうかとのご提案をさせていただきました。

 

③については、整体に行かれることについての良し悪しについてのコメントはありませんが、

痛みの緩和に関する対処的な意味での整体施術と、根本治療の違いについてはご説明させていただきました。

 

変形性股関節症は、短期間で症状が顕現する疾病ではありませんので、

症状を自覚しだしてすぐに治療ができる病ではないことを是非知っていただきたいとおもいます。

 

長い時間をかけて悪化してきた股関節の回復には、それなりの時間がかかってしまいます。

医療では、それを早期に回復するために手術という手段を勧められることが多いのも現実です。

生活のリズムは、個人個人によって異なりますので、それぞれの状況にあった治療方法を選択されることが大切かと思います。

 

時間はかかっても、保存療法を選択し、自骨を維持し改善を図るのか、

それとも人工関節を選択し、痛みから早期に開放されるのか。

難しい判断となりますが、最終的には、自己判断と言わざるを得ません。

 

自己判断をする上で、大切だと思えることは、

診断を受けている医師から双方のメリット、デメリットについての説明をしっかり受けているかどうか、

そして、それを患者さんご自身が納得しているかどうかにつきると思います。

保存治療にも、メリット、デメリットがあり、

手術にも、生活制限など、同じようにメリット、デメリットがあります。

 

私が、指導を受けた故井上先生は、常々おっしゃられておられました。

「移植医療は、医療の敗北・・・、治すことができないから、人工関節を移植する」

しかし、井上先生は、こうもおっしゃられておられました。

「どうしても、現在の医療ではできないこともある、生活に支障のある痛みを軽減するためには、これしかないという判断で移植をしなければならないこともあるのも事実。医療とは、本当に難しい・・・」

すべては、患者さんのため、井上先生がおっしゃられていたような、

こういう医師と皆様がであわれれることを切に願い、また、こうした医師と出会うお手伝いを私どもはしていきたいと思います。