【米国市況】国債利回り上昇、主要中銀がタカ派姿勢-ドル143円台
Rita Nazareth-
S&P500種は小反発、ナスダック100指数は1.2%高
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円は全面安、対スイス・フランで最安値更新-対ユーロは08年来安値
22日の米金融市場では国債利回りが上昇。世界の主要中央銀行当局者らがインフレ抑制で勝利宣言する用意は全くないとの姿勢を示し、追加利上げの可能性を示唆した。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 3.87% | 6.1 | 1.59% |
| 米10年債利回り | 3.79% | 7.6 | 2.04% |
| 米2年債利回り | 4.79% | 7.6 | 1.61% |
| 米東部時間 | 16時56分 |
米2年債利回りは3月以来の高水準を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、年内にあと1回か2回の利上げが必要になる可能性があるとの考えを示したほか、イングランド銀行(英中央銀行)は引き締めペースを加速させ、追加利上げが必要な可能性も警告した。
パウエル議長、年内1回か2回の追加利上げ必要も-上院証言 (1)
英中銀が利上げ加速、予想外の0.5ポイント-政策金利5%に (3)
米国株
S&P500種株価指数は4営業日ぶり反発。日中の大半は方向感が定まらない展開だった。期待外れな業績ガイダンスを示したKBホームは下落。大型ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は1.2%高。アマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトなどが買われた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4381.89 | 16.20 | 0.37% |
| ダウ工業株30種平均 | 33946.71 | -4.81 | -0.01% |
| ナスダック総合指数 | 13630.61 | 128.41 | 0.95% |
MRBパートナーズのグローバルストラテジスト、フィリップ・コルマー氏は「中銀は『行動がまだ十分でない』としている。年初時点では当局者は十分に行動したと考え、誰もがリセッション(景気後退)に陥ると思っていた。しかし今は、そのシナリオから遠ざかっていることを示すデータが続いている」と指摘。「リセッションにならなければ、コアインフレを押し下げるのは実に難しい。そうするには、雇用セクターを弱くする必要があるためだ」と述べた。
インベスコのチーフ・グローバルマーケット・ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は、米金融当局が実際に年内あと2回の引き締めを実施すれば、経済を「深刻なリセッション」に陥らせるリスクがあると指摘。「繰り返しになるが、金融政策が実行に移されてから、それが実体経済のデータに実際に表れるまでには長い時間差がある」とし、「そうした時間差があるため、影響の大半はまだ見られていない。そのため、行き過ぎについてかなり警戒しなければならない」と話した。
JPモルガン・チェースの市場ストラテジスト、マルコ・コラノビッチ氏は米金融当局による急ピッチな利上げによる効果が時間差を伴って実体経済に波及してくるため、今年下期の米国株は波乱の展開になり得るとの見方を示した。
米国株、利下げなければ下期は苦戦-JPモルガンのコラノビッチ氏
外為
外国為替市場では円が対主要10通貨で全面安。対ドルでは昨年11月以来の1ドル=143円台となった。スイス・フランに対しては変動相場制移行後の最安値を更新したほか、対ユーロでも2008年以来の水準に下げた。日本が金融緩和策を続けている一方、他の主要国・地域はインフレ抑制に向け積極的に利上げに取り組んでいることが背景にある。
円が対スイス・フランで過去最安値更新、対ドルでは143円に迫る (3)
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1226.50 | 3.83 | 0.31% |
| ドル/円 | ¥143.12 | ¥1.24 | 0.87% |
| ユーロ/ドル | $1.0955 | -$0.0031 | -0.28% |
| 米東部時間 | 16時56分 |

バノックバーン・グローバルのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「円安の根本的な要因は金利差だ」と指摘した。
ソシエテ・ジェネラルのチーフグローバルFXストラテジスト、キット・ジャックス氏は円安について、「反転させられるのは日本銀行の政策変更か、米国債利回りの低下だけだ」と指摘。「と述べた。日銀はイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)に関して7月に行動すると当社のエコノミストは予想しているほか、米国債利回りも近く下げに転じると当社の金利ストラテジストは考えているが、それが起こるまでフラストレーションは続く」
原油
ニューヨーク原油先物相場は急反落。インフレ退治に向けた世界的な金融引き締めで市場心理が悪化した。
米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が約400万バレル減少したが、リスク回避ムードを打ち消すことはできなかった。追加利上げが正当化される可能性が高いとしたパウエルFRB議長の前日の発言に続き、この日は英国とノルウェーの中銀が利上げを決定。インフレ抑制に向けた世界的な金融引き締めで景気が冷え込むとの懸念が高まった。
CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダーのレベッカ・バビン氏は「ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は70ドルが攻防ラインになっている」と指摘。「需給要因は日々の値動きと整合しておらず、マクロ要因と需給要因がどちらかに収れんされるまで相場は非常に不安定な展開が続くだろう」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比3.02ドル(4.2%)安の1バレル=69.51バレルで終了。ロンドンICEの北海ブレント8月限は2.98ドル(3.9%)安の74.14ドルで引けた。
金
ニューヨーク金相場は続落。パウエルFRB議長が利上げ継続の方針を改めて表明したことで米国債利回りが上昇し、金相場を圧迫した。
金スポット価格はニューヨーク時間午後2時25分現在、前日比0.9%安の1オンス=1915ドルちょうど。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は21.20ドル(1.1%)下げて1923.70ドルで引けた。
原題:Bond Yields Climb on Hawkish Central Bank Warnings: Markets Wrap(抜粋)
Yen Slumps Broadly as Bank of Japan’s Policy Diverges From Peers(抜粋)
Yen Falls to Record Low Against Swiss Franc on Policy Divergence(抜粋)
Oil Sinks as Hawkish Fed Spooks Investors, Overshadows EIA Data(抜粋)
Gold Slips as Treasury Yields Rise on Hawkish Powell Comments(抜粋)