【米国市況】株とTBが下落、債務交渉の停滞で-ドルは138円台後半
Emily Graffeo、Cecile Gutscher訂正済み
-
6月8日に償還を迎えるTBレート、5.8%を上回る水準
-
ドル指数は2カ月ぶり高値から伸び悩み、ドルは一時138円91銭
米株式相場が下落。米国の債務上限交渉が行き詰まっているため、売りが優勢になった。財務省短期証券(TB)も下げが続いた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 4145.58 | -47.05 | -1.12% |
| ダウ工業株30種平均 | 33055.51 | -231.07 | -0.69% |
| ナスダック総合指数 | 12560.25 | -160.53 | -1.26% |
連邦債務を巡る交渉は23日も続いたものの、進展はあまり見られなかった。早ければ6月1日にも米政府の資金が底をつく恐れがあるとしたイエレン米財務長官の警告について、下院共和党の間では不信感が広がっている。
ハーベスト・ボラティリティー・マネジメントのトレーディング・調査責任者、マイケル・ジグモント氏は「一部の政治家が公にデフォルトを予想しているという事実は悪い兆候だ」と指摘した。
S&P500種は資本財や通信サービスを中心に下落。ホームセンター運営大手ロウズは売上高見通しを下方修正し、個人消費の鈍化を示唆した。ブロードコムはアップルと数十億ドル規模の複数年契約を新たに締結。第5世代(5G)無線周波数に関する部品を開発する。エルメス・インターナショナルを含む高級品セクターからは時価総額にして300億ドル(約4兆1600億円)余りが吹き飛んだ。
アップル、ブロードコムと数十億ドル規模の契約締結-5G部品で
バイデン大統領とマッカーシー下院議長による22日午後の協議でも交渉は妥結には至らず、交渉担当者による協議は23日午前11時に再開。マッカーシー議長は23日午前に共和党の全下院議員と非公開の会合を開き、バイデン政権との債務上限交渉はまだ続くと述べた上で、歳出削減という党の要求で団結するよう訴えた。
シュローダーのマルチアセット・グロース・アンド・インカムの責任者、レミ・オルピタン氏は「投資家として、債務上限問題を織り込むのは非常に困難だ。大きなリスクだが、前もって定量化しポジションを組むのは非常に難しい」と述べた。
インベスコのチーフ・グローバル市場ストラテジスト、クリスティーナ・フーパー氏は短期間のテクニカルなデフォルト(債務不履行)に陥る可能性がかなりあるとし、それは株価よりも債券価格に反映される可能性が高いと指摘。「交渉者は一段と悲観的になっている。それは市場が今後数日にもっと荒れることを示唆している」と語った。
米国債
債務交渉に残された時間がなくなりつつある中、デフォルトのリスクが最も高い年限を中心に国債保有のプレミアムが上昇。6月8日に償還を迎えるTBレートは5.8%を上回る水準にとどまっている。5月30日満期のTBレートは3%を下回っている。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 3.95% | -1.9 | -0.47% |
| 米10年債利回り | 3.69% | -2.3 | -0.62% |
| 米2年債利回り | 4.32% | 0.1 | 0.01% |
| 米東部時間 | 18時41分 |

この日発表された米経済指標では、4月の新築一戸建て住宅販売が2022年3月以来の高水準に増加。5月の企業活動を示す指数は予想外に上昇し、約1年ぶりの高水準となった。
米新築住宅販売、4月は年換算68.3万戸-2022年3月以来の高水準
米企業活動は加速、5月PMI予想外に上昇-インフレ圧力も示唆
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、インフレが定着する状況になった場合は、高水準の政策金利をより長期にわたって維持する必要があると指摘した。
ミネアポリス連銀総裁、インフレ定着ならより長期の高金利維持が必要
外為
外国為替市場のドル指数は朝方に2カ月ぶりの高値水準を付けた後、伸び悩んだ。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1241.28 | 2.91 | 0.23% |
| ドル/円 | ¥138.58 | -¥0.02 | -0.01% |
| ユーロ/ドル | $1.0770 | -$0.43 | -0.40% |
| 米東部時間 | 16時43分 |
ドルは対円で一時、1ドル=138円91銭と、昨年11月下旬以来の高値を付けた。その後、上げを失った。
三菱UFJフィナンシャル・グループはリポートで、債務上限問題で妥協に至るとの市場の予想が今後数週間に真剣に疑問視されるようになれば、「円のショートスクイーズが起こり、ドルが対円で急落する恐れがある」と指摘した。
原油
ニューヨーク原油先物相場は続伸し、1バレル=73ドルに迫った。米債務上限を巡る交渉が具体的な進展を見せていない中、空売り投資家に向けられたサウジアラビアの警告が注目された。
サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は原油の空売り投資家について、「私は気を付けろとだけ言っておきたい」と述べた。市場はこれを警告と受け止め、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は一時2.5%高まで買い進まれ、まだ解決が見えない債務危機で暗くなった他の金融市場とは対照的だった。
レイモンド・ジェームズのアナリスト、パベル・モルチャノフ氏は「サウジのエネルギー相が空売り投資家に警告を発することは興味深いが、最終的に重要なのはサウジをはじめOPECがどう発言するのではなく、何をするかだ」と述べた。「行動は言葉より多くを語る」と続けた。
原油価格は年初から約9%下げている。中国でコロナ禍後の経済回復ペースが鈍いことに加え、積極的な米金融引き締めがセンチメントを暗くしている。ロシアからの原油輸出も、制裁にもかかわらず堅調を維持している。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日比86セント(1.2%)高い1バレル=72.91ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント7月限は85セント上昇の76.84ドル。
金
ニューヨーク金先物は続落。投資家の関心は米債務上限交渉の行方に向けられている。
米国がデフォルトに陥る可能性があるという見方で逃避需要が強まり、金は今月上旬、2022年3月以来の高値に押し上げられる場面もあった。しかし現在ではその水準を大きく下回っている。

金スポット価格
出所:ブルームバーグ
ストーンXの市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「両サイドから伝わるポジティブなムードから判断すると、デフォルトを回避するための合意は最後の最後でまとまりそうだ」と述べた。
国債利回りの上昇と連邦準備制度理事会(FRB)当局者が発するタカ派的なコメントも、金の上値を抑えていると同氏は指摘した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前日比2.90ドル(0.2%)安い1オンス=1992.80ドルで終了。金スポット価格は小幅高。ニューヨーク時間午後3時15分現在、0.2%上昇の1974.88ドル。
原題:Stocks Fall on Debt-Deal Impasse as Deadline Looms: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Trims Gains as Lack of Deal Dampens Mood: Inside G-10
Oil Rallies as Saudi Minister Warns Short Sellers of Pain Ahead
Gold Declines as Traders Assess Debt-Ceiling Talks Progress
(表の中、ダウ平均と米30年債利回りの前日比と変化率を訂正します。米国債利回りは全面的に最新の数字にデータを更新します)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE