米国市況】株反落、波乱の2月を締めくくる-ドル136円台前半
Vildana Hajric、Isabelle Lee-
米10年債利回り、月間で40bp余り上昇-2年債利回りも月間で上昇
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円、対ドルでほぼ変わらず-朝方には一時136円92銭まで円安進む
2月28日の米株式相場は反落。日中は上昇する場面もあったが、取引終盤に下げに転じた。確信が低い動きで、荒い展開となった2月を終えた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 3970.15 | -12.09 | -0.30% |
| ダウ工業株30種平均 | 32656.70 | -232.39 | -0.71% |
| ナスダック総合指数 | 11455.54 | -11.44 | -0.10% |
S&P500種株価指数は日中の安値付近で終了。月間ベースでは2.6%安となった。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数も月間で値下がり。
2月はインフレが米金融当局の望むような形では鈍化していないと認識する展開となった。特に当局が重視する主要指標が予想を上回る伸びを示したためだ。これを受けて、1月に株価を押し上げた期待の一部が後退した。
債券トレーダーは、年内の米利下げ確率が50%以上あるとはもはや見込んでいない。市場では米政策金利が年内に5.4%でピークに達すると織り込まれている。わずか1カ月前は約5%と織り込まれていた。
米債券市場の年内利下げ見通し、五分五分にまで後退-SOFRが示唆
ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト兼ポートフォリオストラテジスト、ローレン・グッドウィン氏は「米利上げ休止への期待は高ベータ資産に前向きな反面、リセッションの現実はその反対だという両方の見方の間で激しく変動する展開は続くだろう」とリポートで指摘した。
ウェルス・アライアンスの社長兼マネジングディレクター、エリック・ディトン氏は「米金融当局がやっていることの多くは機能している」とし、大企業の人員削減や小規模小売業の経営破綻を挙げた。「しかし、スムーズにはいかない。ノイズは出る。1月の数字は全面的に強かった。2月と3月のデータがどうなるか確認する必要がある。全体的なトレンドは機能していると依然考えている。インフレ率は下がっているが、こうした緩やかなペースでこの先も下がるだろう」と述べた。
米国債
米国債は下げ幅を縮小。長期債は取引終盤に上げに転じた。月間ベースでは10年債利回りが40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り上昇した。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(BP) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 3.92% | -0.9 | -0.24% |
| 米10年債利回り | 3.92% | 0.8 | 0.20% |
| 米2年債利回り | 4.82% | 3.8 | 0.78% |
| 米東部時間 | 16時55分 |
外為
外国為替市場ではドルが月末フローの中で、主要通貨に対して高安まちまち。軟調な米経済指標や原油相場の上昇も影響した。ドル指数は月間ベースでは昨年9月以来の上昇。米利上げ観測が高まったことなどが背景にある。
円は対ドルで前日比ほぼ変わらず。朝方には欧州時間からのドル買い・円売りの流れで、一時136円92銭まで円が下落する場面もあった。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1254.69 | 1.81 | 0.14% |
| ドル/円 | ¥136.24 | ¥0.05 | 0.04% |
| ユーロ/ドル | $1.0575 | -$0.34 | -0.32% |
| 米東部時間 | 16時55分 |
ウエストパック銀行のストラテジスト、 ショーン・キャロウ氏(シドニー在勤)は「ドル指数は3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合にかけて底堅さを維持するだろう」と指摘。「コアインフレが目標からまだかなりかけ離れており、米景気に強さの兆しが多く見られる中、米金融当局は手いっぱいの状況だ」と述べた。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数
出所:ブルームバーグ
原油
ニューヨーク原油先物は反発。月間ベースでは過去9カ月で8カ月目のマイナスで2月を終えた。米景気減速への不安が引き続き市場のセンチメントを暗くしている。
月間ベースで約2ドル下げたものの、供給は引き締まりの兆候を示している。ロシアへの制裁は同国産原油の購入を複雑にしている。ポーランドは2月と3月のロシア産原油購入を段階的に縮小していく計画を明らかにした。インドでは制裁違反を心配する金融機関が、製油業者に難しい要求を突き付けている。

WTI先物、月間変化率
出所:Nymex
2月の相場は方向が定まらず、取引レンジは2021年7月以来の小幅だった。インフレ鎮圧を目指した米利上げを背景にリセッション(景気後退)不安が広がり、それが最近の悲観につながっている。
それでも中国での需要回復兆候や、西側からの制裁強化でロシアからの供給が減少するとの見方で、強気派は今年後半に市場は明るさを増すとみている。
ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前日比1.37ドル(1.8%)高い1バレル=77.05ドルで終了した。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.44ドル高い83.89ドル。ブレント4月限はこの日が最終取引。中心限月となった5月限はこの日、1.41ドル上昇の83.45ドル。
金
ニューヨーク金相場は続伸。月間では5%を超える値下がりとなり、ほぼ2年ぶりの大幅安だった。米金利のさらなる上昇にトレーダーは身構えている。昨年11月から今年の1月までは、米金融引き締めが和らぎ始めるとの期待から月間ベースで3カ月連続で上昇していた。
2月に入ってドルと米国債利回りが上昇し、利息を生まない金の投資妙味を低下させた。金を裏付けとした上場投資信託(ETF)からは資金引き揚げがほぼ毎日のように続き、保有額は2020年に新型コロナウイルスが流行し始めた頃に迫る低さになった。

金スポット価格、月間変化率
出所:ブルームバーグ
ヘレウス・メタルズのドイツ法人は「FOMCが早期に姿勢を転換する可能性は低く、金利は想定より高く長期に維持されるという考えを、市場は受け入れた」とリポートで指摘した。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前日比11.80ドル(0.7%)高い1オンス=1836.70ドルで終了した。スポット価格はニューヨーク時間午後2時20分現在、0.7%上昇の1829.62ドル。