モーリス・センダックの

「ムーン・ジャンパー」を読む。

お客様は年長さんたち。


プログラムの中では最後の一冊でした。

この前に

語りで ヤギとライオンを、聞き

絵本の かもさんおとおりを聞いていたので、

かなり、集中力を使ったあと。

はたして、入ってくれるかと

少し心配もしたけれど、

構えて読み始めると

なんとも不思議な感覚がやって来ました。


10人近くの子ども達がいるはずなのに、

なんだか、

ひとりひとり、

何処かへ行ってしまって

誰もいなくなったような…。

気配がなくなるというか…。


ワタシは顔が絵本を向いているから

確認できなかったけど

膝や、スカートの裾や

靴下の先が視界に入るから

そこにいるのは確かなんだけれど

なんだか、

誰も居なくなった、と、感じてしまった。



モーリス・センダックは

インナースペースに訴えかける作品を

作っている。

どこかに行って帰ってくる子どもたちの物語。



身体を置いて

みんな、何処かへ行っていたのかな?


表紙を閉じると

ほーーーー、どため息がもれ、


「また、これ、読んでね」って。


少し泣きそうになる。

置いてきぼりの読み手は

皆の上気した頬を見て

旅の長さを知るしかないよ。



絵本の不思議な経験の

エピソードでした。