今日は、設備の話をします。
「都市ガス」と「LPガス」に関してのお話です。
LPガスはプロパンガスを主成分とすることから「プロパンガス」と
俗に呼ばれています。
まず、「都市ガス」と「LPガス」の違いを表にすると、
同じガスでも、全く違うことが分かります。
違いを整理すると・・・
○都市ガスとLPガスは全くガスの性質が異なるので、同じガス機器は使えない
○都市ガス自体に種類があるので、地域や種類によっては都市ガスでも同じガス機器が使えないことがある
○ガスの熱量が異なり、LPガスの方が火力が強い
○供給方法の違いから災害時などは都市ガスの方が供給力にやや弱さがある
○供給元の公共性にも違いがある
(都市ガスは公共料金扱い、LPガスは自由料金で設定が自由)
○都市ガスは空気よりも軽く、LPガスは空気よりも重い
この違いから注意点を見てみましょう。
<注意点①>
最も気を付けることは、
引っ越し前とガスの種類が違うとそれまで使っていたガス機器は使えない
ということです。
引っ越しに伴って、地域や物件が変わるときには、
「都市ガスからLPガスへ」または「LPガスから都市ガスへ」変わる場合は、
これまで使っていたガス機器は使えなくなります。
また、「都市ガスから都市ガスへ」変わる場合でも、地域によってガスの種類が
異なることがあるため、ガス機器の使用についてこれまで使っていたものが使えないこと
があるので、注意が必要です。
<注意点②>
ガスの特性から「ガス漏れ警報器」の設置する位置が異なります。
「都市ガス」は上へ、「LPガス」は下へという違いがあるので、ガス漏れ警報器はそれぞれ、
「都市ガス」用はキッチンなどの上部へ
「LPガス」用はキッチンなどの下部へ設置されています。
警報装置の確認の時は、ガスの種類によって設置されている個所が異なるので、
注意しましょう。
<注意点③>
ちなみに、「都市ガス」は家などの供給してほしいところまで「都市ガス」の配管が
来ていないと供給してもらえません。
首都圏でも配管が難しい場所では、LPガスしか使えない地域もたくさんあります。
他にも、建て売りの一戸建てやアパートで多いのですが、その建物の目の前まで
「都市ガス」の配管が来ているにもかかわらず、「LPガス」ということもあります。
その理由は、LPガス事業者がガス設備の負担をしてくれるため、建て売り業者
にとっては建築コストが安くなるというメリットがあり、LPガスになっているのです。
もちろん、購入者にとっても建築コストが安くなっている分購入しやすいということにもなります。
一方、今は「LPガス」でも「都市ガス」の配管が建物の前まで来ていれば、
「LPガス」から「都市ガス」へ変更することはできます。
しかし、
ガスの引き込みにそれなりに費用がかかること、
またガスの種類が異なりますから、建物の配管からガス機器まで交換する必要がある
ので、その費用も相当かかります。
そのため、賃貸住宅の場合、家主さんへガスの変更をお願いしても相当の費用がかかる
ことから、実現は難しいでしょう。
<その他の話>
「LPガスの方が料金が高い」という話もよく聞きます。
この辺は一概に言えません。
LPガスの熱量の方が高い分、使用時間は短縮され、トータル料金は変わらないこともあるからです。
家を購入したり、家を借りたりするときにはどうしても「ガス」のことは後回しになりますが、
家探しのときにはこうした「ガス」のことを少し知っていても損はないでしょう。
ガスの種類と使用する機器を間違えると、最悪、爆発することがあり得ますので、十分に注意しましょう。