透明人間と言われた容疑者 | 心理カウンセラーのつぶやき

心理カウンセラーのつぶやき

前職では児童、女性問題等を主に担当。今は司法矯正や依存症等の心理専門職。対人援助職はさまざまな現場で臨床経験を積みながら、生きづらさを抱えた方のお手伝いができる専門職と考えています。統合的心理療法を実践。実はお笑い好きカウンセラー。

こんばんはニコニコ  


未解決事件として、26年間、

犯人が捕まらず、

警察に目星をつけられ、

逮捕されたのは身近な人間でした。




被害者のご親族である、

夫の方や2歳だったお子さま、

何より被害者の方のことを考えたら、

心が痛くなります。

出す言葉が全て軽くなりそうで、

浮かびません。



周りに透明人間と思われていた容疑者。



透明人間…周りに存在を認められていない。

本人である容疑者が一番わかっている。



恋愛感情を持ち、少なからず、

自分の存在を肯定的に実感できたのだろう。




自分から湧き出る初めての高揚感。

力がわいてくる。

透明人間は拒否されても追いかけまわし、

情念は募る(つのる)ばかり。



ただ、若い場合、未来へと目が向ける。

どうにか情念を手放した。



しかし、その情念は抑圧しただけ。

無くなりはしない。




数年後、同窓会で再会。

抑圧していた情念が表に出てきた。



透明人間は透明なまま。

ネガティヴ感情を増幅(ぞうふく)させ、

おそろしいモンスターになっていた。



モンスターは、

自分の貴重な存在が奪われたことを知った。



透明人間も人間なのだ。

感情がうずまく。



攻撃性は他人に向くか、自分に向くか。



容疑者の自己中心的で身勝手な攻撃性は、

被害者の方に向いてしまった。



担当弁護士はいつもの情状酌量など述べず、

容疑者はちゃんと罪と向き合い、

実刑を確定させて刑務所に入るべき。

拘置所で何もしない、

ムダな時間を過ごさせないために。



罪の償いは難しいだろう。

おそらくですが、

今も心の中で…



捕まってしまった



そう考えているだけではないだろうか。



逮捕の直後に出る謝罪の言葉。

自分の罪を理解してない段階であり、

全く意味がない。

上っ面の言葉です。



他人に攻撃できなくなった容疑者。



攻撃性が自分に向かないよう、

警察は慎重に監視をしてもらいたい。




人間はおそろしい。

犯罪心理の臨床現場にいますが、

たまに逃げ出したくなります。