白銀の龍だった。
大きな龍は、
少し窮屈そうに
尻尾を壁に沿わしていた。
〈…主様は、龍の末裔…?〉
『そういうことです。
貴女になら、
本当の私を見てもらうのも
悪くはないかと。』
龍のその視線は、
優しく柔らかく朗らかだった。
先ほど、人間の姿を
していた主様と同じ瞳だった。
〈群衆の前に姿を
現さないのは、
どうしてですか?〉
『龍は暗闇を好む。
光の前では目がくらんでね。
群衆の前には姿を現せないのだ。』
〈一国を仕切られているのが、
龍様であったとは驚きです。
でも、それを知ってなお、
この国をお守りすることが
できて良かったです。〉
『どうしてか?』
〈失礼ながら龍様も、
人間に虐げられていた
時代があったかと。
魔女や魔法使いのように。
それでも、一国を築き上げ、
人間の為に能力を
発揮していらっしゃるのですよね?〉
『やはり、貴女なら
そう言ってくれると
思っていましたよ。
ここへ留まり、
私の元で働いてはくれぬか?
理解者は多い方が良い。
なぁ。タク。』
タク様は
ゆっくり一礼をし、
私を見つめた。
〈もちろんです。
ここで初めて
自分を信頼してもらい、
仲間を作ることができました。
できるなら、
ここへ居させてください。〉
-fin.-