青空が支配する
外の世界で少し背伸びをして。
風のない緩やかな
午後の温かさに少し感謝して。
人気の少ない所へ移動して
私はゴウの箒に跨り
ゆっくり目を閉じた。
意識を集中させた。
〈私はあの子を助けたいの。〉
「どうして、君が助ける必要がある?」
箒は意地悪に私に質問してくる。
〈それが、私の宿命だからよ。
あの子は私が守るの。〉
「彼に憑りついた寄生虫を
取り除くだけではなぜいけない?」
〈それでは救えないじゃない。〉
「あの子は元々病気だった。
その運命を変えるという事は
お前の命の矛先も
変わってくるという事だぞ。」
そう。私が恐れていたのはこれだ。
自分の宿命と言っておきながら、
自分の運命が
変わってしまう事が怖かった。
やっと手に入れた私の世界。
唯一私が生きていける場所。
それが、魔力だった。
これがあればなんでもできる。
世界だってきっと変えられる。
だけど、それで
私の運命が狂うのが怖かった。
けど――
一度決めた事を捻じ曲げる事が
どれほどカッコ悪い事か、
私は知ってる。
ケイの悲しみも、
レンの痛みも分かる。
〈運命なんて。
それが初めから
決まっていようがいまいが、
どうでもいいわ。
私は私が生きたいように生きる。
今はレン君を助けたいの。
貴方に飛んでもらう理由は
それだけで十分でしょ?
レン君を救いたい。
これが終わった後の事は、
それから考える。
今うじうじしたって
何も変わらない。
明日が今見える訳じゃない。
だから、明日の為に
ベストを尽くさなきゃ。
でしょ?〉