夢物語。‐私が描いた世界‐ 29 | 言葉、紡ぐ詩

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“人の話を聞く時は、

まず自分の事をさらけ出すべきよ。”
祖母からの教えだった。


私は炎の男の

瞳を真っ直ぐに見つめて、
ゆっくり丁寧に、

心を静めて

至って冷静な声色で話しかけた。
彼の瞳が私を捉えて、

出会った日のように

不気味な笑みを浮かべた。
しかし、次の瞬間、

悲しい深い青に瞳が染まった。
そして、ぽつりぽつりと語り始めた。


「・・・私の名前はユウだ。
私は20年来、

共に過ごした妻を

化け物に殺されてしまった。
私の妻は敏感でね、

いろんな事を感じ取れる奴だった。
そうだな、君と同じだ。

魔法使いの末裔だったんだ。
私には大して

何のとりえもなかったが、
そのことだけが自慢だったよ。
大切だったんだ。本当に。





…化け物と聞いたら、

君は何を思い浮かべる?」


天を仰いで思い出に

浸っていたユウが、
急に悪戯に笑って私を見た。


〈ユウさんに今

憑りついている寄生虫とか?〉


「ははっ。
流石だね、魔法使いさん。
模範解答をどうもありがとう。
言ったね、私の妻は、

君と同じ魔法使いだったと。
昔々に魔女狩りが

あったのはご存知か?」


〈はい。先ほど、聞きました。〉


「――あの時代は

本当に酷かった。
泣き叫び、蠢く心が

痛々しかった。
どうやってでも、

私は妻を守りたかった。
自慢の嫁だぞ?

当たり前だろ?
周りの奴らも

協力してくれるって言ったんだ。
お前にも、お前の嫁にも

世話になってるからなって。
そう言ったのに―――」