私は中高年の離職者を対象に転職コーチングやコンサルティングをすることがあります。

先日も前職銀行員だった62歳男性で離職者の方に応対しました。

彼は80歳までのキャリアプランを作成された後、見事に一般企業の事務職求人の内定を勝ち取りました。

応募者のキャリアプランそれ自体が評価加算点となることはありません。

プランニング作業の過程が面接対応力にどう影響したかも不明確です。

ただ、彼はキャリアプランニングによって自身の仕事人生を棚卸できたことに感銘を受けたと満足気に私に語ってくれました。おそらく今までの仕事を振り返り、自信を取り戻した、あるいは新たなステージに踏み出す勇気を持てた、その自信と勇気が運を呼び込む結果となったのではと私は推測しています。



キャリアプランニングとは、個人が将来どう生きたいかを明確に思い描くことで、理想の自分になれるよう人生設計を見据えることをいいます。「将来どんな仕事でどう社会に貢献するか、あなたが今この時、何歳であっても10年視点で目標と計画を立て、実現に向け行動することが重要です。」と、私はプランニング導入の前置きを伝えています。

また、個人だけではなく、組織の成長にもキャリアプランニングは寄与します。事業の加速、業務精度の向上、新サービスの創出等が齎される可能性は十分あります。

個人・組織共に有効なキャリアプランニングですが、一方で、多くの仕事で人がAI(人工知能)に代替される状況下、私たちはキャリアサバイバルを突きつけられています。

お客様から選ばれる人財で在り続けるために、年齢関係なしに自己研鑽を積む努力を怠ってはならないことということです。

日本企業の平均寿命は20年。ところが人の就労期間はどんどん長くなる。そこで、私が携わるワークショップでは、結びの言葉は決まって次の2つのフレーズです。

(著書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』引用)

1.長寿は厄災ではなく恩恵である。この可能性を最大限高める努力をしましょう。

2.人生はマルチステージ化する。時代に合致した多様な人生観について考えましょう。