9月4日(金)
高市政権は成長戦略の柱として17分野を重点投資対象に定め、その中でも官民合わせて100兆円規模の投資が見込まれるAI・半導体は突出した存在となっている。
投資の内訳は、ベンチャー支援、金融による開発力強化、働き方改革、賃上げ環境の整備、大学改革、国際競争力の向上、サイバーセキュリティなど多岐にわたる。いわば「幅広い領域へのてこ入れ」であり、方向性としては理解できるものの、従来の政策と本質的に大きく変わったわけではない。
政府は2040年に60兆円規模へ拡大するAI・ロボットの世界市場で、3割のシェア獲得を目標に掲げている。覇権を狙うという意欲は評価できるが、投資分野・投資額・投資先の決定は、これまでも政治が得意としてきた領域であり、額の大きさを除けば手法は従来と大きく変わらない。
一方で、中国の成長投資は日本とはまったく異なる。彼らが重視するのは「戦略的な投資」よりも、具体的な実現目標の明確化である。EVやロボット産業の急成長を見れば、その有効性は疑いようがない。民意を細かく調整する必要がないため進め方は粗くなるが、成果を最優先する姿勢は学ぶべき点が多い。
日本がAI・ロボット市場でトップを目指すのであれば、まず何を開発するのかを国家として明確化することが不可欠だ。中国に追いつき、追い越すための現実的な道筋は、人に代わる自律型ロボットの実現を国家目標として掲げることだろう。大学教授、医師・看護師、自動車運転手、自衛隊指揮官など、人の高度な判断を代替できるロボットの開発は、多くの国民が期待する領域でもある。
政府が果たすべき役割は明確だ。実現すべき目標を具体的に定めること。その目標を達成できる企業に責任を持って発注すること。実現後にロボットやAIが活躍できる制度・環境を整備すること。成長戦略ビジョンが選挙向けの未来像ではなく、日本を真に復活させるための力強い青写真となることを願いたい。
※参考までに、私が昨年youtubeで描いた小説「神々のロボット」は、そうした知的自律ロボットが自然災害や侵略などの国難と闘い未来社会に貢献する長編SFです。
https://www.top5.co.jp/index.html
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