■桜の花が咲き出した。
春が近づいている。
新しく就職する人には不安と期待でいっぱいの4月。
今年は、上向きの景気で会社選択は売り手市場、
採用されるための苦労は少なくなったと聞く。
時代は変わっても、
多くの人にとっては、長く勤める大事な場所となる。
10年、20年、30年と続く会社生活が、
ご本人にとって生きがいの見出せる所となるか否かは
まさにご本人の心がけ次第となる。
自分の能力・可能性に自信を持つ事は大切だけれど、
ぜひ先輩の意見に素直に謙虚に耳を傾けてもらいたいもの。
直接の上司に自分のミッションを再確認するだけでなく、
他部署の先輩にも経験談・心構えを聞き続けたほうが良い。
私からお伝えしたいのは、
「初任給は仮のもの」ということと「何をやりたいか」が大切という事。
例えば、製造業の初任給は20万円前後。
始めのうちはわかっていても、
毎月お給料をもらっている内に、
自分にはそれだけの値打ちがあるように勘違いしてくる。
存在するだけで、所得がついてくるように思いがちになる。
実際は、会社に利益貢献できるのはもっと先のこと。
新人の間は、他の人が稼いだ利益を分けてもらっているにすぎない。
そのことは、よくよくわきまえておいた方が良い。
もう一つは、「何ができるか」ということより「何をやりたいか」
意欲に燃えて会社に入ったものの、
その内に単に生活の糧と化していった人を何人も見ている。
最初から「何の為に会社に入ったのか」ということを
よく考えていなかった人の中にそういう人が多いように思う。
会社に帰属意識を感じるより、
会社生活を通じて自分自身を育てると考えた方が、
結局花が咲く可能性が高いように思う。
自分の仕事にやりがいを見出せなければ
場合によっては自分の方から見切りをつける、
それぐらいの覚悟を持っていた方が結果は吉と出る、と思う。
ここまで書いていると、今朝届いた日経の一面に、
「松下、ネット事業撤退」と出ていた。
30万人の会員のあるプロバイダー事業「hi-ho」から撤退し、
経営資源を薄型テレビ等の家電に集中するという。
hi-hoの会員には、松下に帰属意識を感じた現役・OBも多い。
これまで会員を続けてきた人の気持ちは複雑に違いない。
ネットワークカメラに関係する「みえますねっと」は、
hi-ho事業と同じeネット事業本部が推進している。
どこかが受け皿となるのか、
そのままeネット事業本部が続けるのかこれまた気がかりなところ。