ドコモ携帯、3G開発メーカーの10年前と、3.9G開発メーカーのこれから | 留守宅は大丈夫?

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■ほぼ10年前、ドコモ携帯は2GのMOVAが全盛の頃のこと、
NTTドコモは、3GのFOMA端末と基地局の開発メーカーにそれぞれ数社を選定した。
その中で、端末と基地局の双方の開発メーカーに
選定されたのは、松下通信とNECのみだった。
当時は、国内携帯電話は、NTTドコモが1強の時代で、
開発メーカーに選定されることは、

この分野での主役を約束されることを意味していた。

開発には巨額の投資を求められたが、
2G携帯で大きな利益を出していた両社には問題ではなかった。

両社には世界と勝負できる最優秀の技術者が集められ、

開発日程に苦しみながらも意気に燃えて開発に専念した。

3GのW-CDMAは世界標準に選定され、

携帯メーカーとして世界市場でのトップ3を夢見た。
両社は、開発陣の頑張りが実を結び、

NTTドコモから世界初のW-CDMAを世に送り出した。

10年たった今、確かに3Gは2Gに取って代わったが、
世界のトップ3どころか、
世界展開では大きな赤字を生んで撤退し、

国内市場でも不動のトップの座を明け渡してしまった。
両社にとって、技術蓄積という大きな財産は残ったが、
世界市場制覇の夢はもろくもくずれ、

携帯メーカーとして最悪の事態を経験した。
こうした背景の中、NTTドコモは、

3G(384Kbps、2Mbps)、3.5G(HSDPA:14Mbps)を経て、
3.9G(スーパ3G:30Mbps程度)のサービス展開を明確にした。
話を整理すると、次のようになる。
<通信規格> <周波数帯> <速度>    <サービス開始>

3G         2GHz帯     ~2Mbps    2001年

3.5G        2GHz帯     14Mbps     2006年

3.9G        2GHz帯     30Mbps程度  2009年

4G         5G~6GHz帯  100Mbps    2010年
この3.9Gの開発メーカーには、
NECと富士通がそれそれ端末と基地局開発メーカーに選定され、

NECは、パナソニック、富士通とも連携するという。
いずれもNTTドコモ同様、横須賀リサーチパーク(YRP)に開発拠点を持つ。
これから、また3社の開発陣は、およそ10年間ほどは、

それぞれの社内で大きな扶養家族となることを強いられる。

開発陣は世界最先端に挑戦できるということで意欲に燃えているだろうが、

10年前とは環境は様変わりしている。
・競争は激しく10年後もNTTドコモがトップであるという確信はない。

3Gの経験から必ずしも開発投資の大きさが優位性を保証されない。
・携帯電話の方式は多様化しておりどの方式が残るか見極めできない。

・基地局の投資が少なくなるとされており、開発投資回収も期待薄。
こうした背景を考えれば、

本当に、3.9Gや4Gのサービスが実現するのかどうか難しい所。
今現在は、
少なくとも若い優秀な技術者の求心力になっていることは間違いないが、

それぞれのメーカーが開発を維持し続けることか出来るかどうかは、

それぞれのメーカーのトップがどう判断するかにかかることになる。