(いつも私を楽しませてくれるコラムニスト。ご本人の了解をいただきましたので転載させていただきますネ。)
大学構内で見上げるほど高い工学部の建物。その屋上から、生タマゴを落とす。どうしたら生タマゴは割れないと思う??
「落下している間に、風にのって生タマゴが流されてしまうから、地上を通る人に当たらないかヒヤヒヤして追いかけるんだ。」と准教授さん。
「空から生タマゴが降ってきて、直撃したらかなりブルーな気持ちになるよね。」と私。
「あははは。それっていじめのワンシーンみたいだね。」とスマちゃん。
この生タマゴ実験は、理系の教養科目で人気のある授業だそうだ。テーマはずばり、「常識をやぶる」発想。普通に考えたら、屋上から生タマゴ落としたら割れちゃうよね。私たちの会話は決して笑いごとではなく、下手したら地上の通行人が本当に悲惨な目にあう。
使うのはB5のボール紙一枚とボンドだけだ、と准教授さんがヒントをくれた。私もスマちゃんも「うーん」と頭をひねったが、答えにたどり着けなかった。
准教授さんは工学部で医療機器に関連した研究をしているという。医者と研究者のどちらになろうか迷った結果、いまの道に進んでいるらしい。年齢はわたしと五つくらいしか違わないその准教授さんは、仕事が楽しくてしかたないと言っていた。
どれくらい楽しいかというと、「子どもがゲームをするかのように」と表現していた。私にはその言葉が強く響いた。それって、相当楽しいではないか。まさにのめりこんでいるのだろう。
「それは羨ましいですね。私は大学生のときも勉強するのが苦痛でしたよ。」と言ったところ、准教授さんはサラリと言ってのけた。
「子どもだってね、ゲームの攻略本を先に渡されていたら、あそこまでハマらないと思うんだ。ゲームだけ渡されてどうやったら攻略できるか自分で考えるのが楽しいんだ。僕がやってる研究もそれと同じ。学校の勉強は答えが載った教科書を渡されるからね。もう決まったやり方を教えられても何も面白くないのだろうね。」
この人は、勉強の極意を知っている幸せ者だな、と思った。答えを導く方法を自分自身で考えるのが勉強であって、その試行錯誤の過程が勉強の醍醐味だと諭された瞬間だった。
教科書どおりでなくていい。常識をやぶって答えを導く。いくらでも方法は作り出せるのだろう。そうしたら、私の手を離れた生タマゴはきっと割れない。
ちなみに、准教授さんは割れない生タマゴの答えを教えてくれなかった。今度テレビで取り上げられるんだって。あれこれ想像して、その番組を観てみたい。私の発想した“非常識”はどこまで通用するのかな。
大学構内で見上げるほど高い工学部の建物。その屋上から、生タマゴを落とす。どうしたら生タマゴは割れないと思う??
「落下している間に、風にのって生タマゴが流されてしまうから、地上を通る人に当たらないかヒヤヒヤして追いかけるんだ。」と准教授さん。
「空から生タマゴが降ってきて、直撃したらかなりブルーな気持ちになるよね。」と私。
「あははは。それっていじめのワンシーンみたいだね。」とスマちゃん。
この生タマゴ実験は、理系の教養科目で人気のある授業だそうだ。テーマはずばり、「常識をやぶる」発想。普通に考えたら、屋上から生タマゴ落としたら割れちゃうよね。私たちの会話は決して笑いごとではなく、下手したら地上の通行人が本当に悲惨な目にあう。
使うのはB5のボール紙一枚とボンドだけだ、と准教授さんがヒントをくれた。私もスマちゃんも「うーん」と頭をひねったが、答えにたどり着けなかった。
准教授さんは工学部で医療機器に関連した研究をしているという。医者と研究者のどちらになろうか迷った結果、いまの道に進んでいるらしい。年齢はわたしと五つくらいしか違わないその准教授さんは、仕事が楽しくてしかたないと言っていた。
どれくらい楽しいかというと、「子どもがゲームをするかのように」と表現していた。私にはその言葉が強く響いた。それって、相当楽しいではないか。まさにのめりこんでいるのだろう。
「それは羨ましいですね。私は大学生のときも勉強するのが苦痛でしたよ。」と言ったところ、准教授さんはサラリと言ってのけた。
「子どもだってね、ゲームの攻略本を先に渡されていたら、あそこまでハマらないと思うんだ。ゲームだけ渡されてどうやったら攻略できるか自分で考えるのが楽しいんだ。僕がやってる研究もそれと同じ。学校の勉強は答えが載った教科書を渡されるからね。もう決まったやり方を教えられても何も面白くないのだろうね。」
この人は、勉強の極意を知っている幸せ者だな、と思った。答えを導く方法を自分自身で考えるのが勉強であって、その試行錯誤の過程が勉強の醍醐味だと諭された瞬間だった。
教科書どおりでなくていい。常識をやぶって答えを導く。いくらでも方法は作り出せるのだろう。そうしたら、私の手を離れた生タマゴはきっと割れない。
ちなみに、准教授さんは割れない生タマゴの答えを教えてくれなかった。今度テレビで取り上げられるんだって。あれこれ想像して、その番組を観てみたい。私の発想した“非常識”はどこまで通用するのかな。