やる気は気持ちだけの問題ではない | 働きつづけるヒント/Top Counselings

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(株)トップカウンセリングスの設立メンバー・産業カウンセラーの、社会人経験にもとづく実感トーク。団塊ジュニア・Hanako世代・ポスト団塊のメンバーそれぞれが、順番にアップします。

こんにちは。
カウンセラーの仁禮です。


最近、ある本をよんでいたら、「自発性」について
以下のようなことが書いてありました。

部下のモチベーションがあがらず悩んでいるマネージャーの
参考になるかもしれませんので、
すこし長いですが、引用します。

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人の営みによって生きている組織は、理屈では割り切れない力によって動いている。
人はこうすればうまくいくというセオリーどおりには動かないし、こうしたいという気持ちだけでも動けない。
組織の矛盾だらけの現実のなかで立ち往生していることもある。

そういう現実をみないで、「やる気がないのか」という表面的な見方や精神論だけで扱おうとすると、
「こんな状態でどうやってやれというのか」という現場の感情とぶつかって、組織はコミュニケーションの断絶した
状態になる。

組織が健全に機能するために必要な”つなぎ”の働きをする「安心」や「信頼」が壊れてしまうからである。

・・・そもそも組織のなかの人の自発性は、一人ひとりの意識を変えるアプローチではまず引き出すことができない。
人には必ず居場所があって、仮に職場が、上司や周りの目があるからできない、周りが助けてくれないからやらない、
自分ひとりでは限界がある、相談できない、そういう雰囲気ではない、損をする・・・・と思えるような環境だとしたら、
それでもなお精神論で「こうあるべき」と思うことを実行するほど人間は強くない。

人は職場チームに属し、組織に属し、さらに仕事に属して動いている。人だけを切り離して意識の変化を促しても、変わらないままの
職場に戻ると人はまた環境の一部になって元に戻り、そこで無力感にとらわれる。

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自発性(モチベーション)の話になると、個人の内面に焦点があてられることが多いですね。
しかし、そこにだけ焦点をあててしまうと、環境面(コミュニケーションによる相互作用)
への配慮をわすれてしまいます。

メンタル不調を訴えた部下や同僚がいても、
メンタルが弱いなどの理由で、上司は納得してしまうかもしれません。

カウンセラーも
相談室に閉じこもっていてはよい仕事はできない時代になってきました。
どんどん職場に赴き、交流をふやしていく必要があるのだと思います。


※今回引用したのは、
 「現場の知恵が働くチームイノベーション」源明典子著です。