あるSNSで次のようなコメントを見つけた。

 

≪ 日本の中央銀行である日本銀行は持ち株の55%は政府が所有していますが、残りの45%の株式の所有者は非公開となっています。 この非公開株のうち、ロスチャイルド一族が40%を所有していると考えられているらしい。 ≫

 

このような噂はすぐ広まってしまうらしい。「日本銀行 ロスチャイルド」でグーグル検索を書けると、陰謀論じみたタイトルが何万件もヒットする。「よくもまあ」という感じである。

 

日本銀行は株式市場に上場されているが、厳密には株式会社ではない。重要な決定は法令により政策委員会で決定されることになっている。株主総会などというものはないから、株主(正確には出資者)は経営上の決定権はなにも持っていないのである。

 

一応、利益が出れば配当を受け取ることはできる。しかし、その配当の上限は出資金の5%以下と法令で定められている。一株に相当する出資金の額面は100円である。つまり、一株当たり5円が上限である。それに対し、市場での一株(一口)の実勢価格は37000円ほどである。投資としてはあまり魅力的な金額とは言えない。

 

「ユダヤ資本やフリーメーソンが日本銀行を通じて日本を支配する。」 こんな妄想はよほど楽しいらしい。一度耳にすると、さらに誰かに吹聴したくなるらしい。

 

しかし、いったいどうやって? どのような手段を通じて日本を支配するのか? 

そのような発想は問題にされないらしい。

 

配当の割に日本銀行の株(出資証券)価が比較的に高いのは、「日本銀行の株主」ということにステータスを見出す人がいるからである。そんなわけで、政府以外の出資者のほとんどが個人株主である。たぶんロスチャイルドは出資していないだろう。

 

日銀にロスチャイルドが出資しているかどうかというのは、どうでもよいことだと思うのだが、根も葉もないことをふれまわる風潮というのは良くないことだと思う。

 

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