今日の学生実習でのこと。
場所は福岡県久留米市、大学の古い研究棟の3階にある広い実習室。
担当教員は4名(うち1名は講座のOB)、学生は119名。
教員の一人がスライドを液晶プロジェクターでスクリーンに映しながら今日の実習内容を解説している間、私はスクリーン右横のテーブルに座り、左腕をテーブルに置いた状態でスクリーンの方を向いていた。
テーブルは床に固定されており、上には大きな顕微鏡が2台とモニター画面が設置され、総重量は2百キロ近い。
14:45頃のことだったと記憶しているが、私は左腕を置いたテーブルがゆ~っくりと一方向に1回揺れるのを感じた(わずかに傾く感じ)。
それから数秒ほど経って、今度は同じようなゆ~っくりとした揺れが2~3回往復するのを感じた。
説明をしている教員、他の教員、学生たちも気付いていないようだった。
往復するような揺れが治まって数秒~10秒経った頃、小さなガタッという音とともに一瞬かすかな揺れが起きた。
他の教員たちは気付いていなかったが、学生のうち何人かが気付いた。
実習が終わって気象庁の地震情報を調べてみたが、あの時間の記録はなかった。
気象庁では震度1以上の地震でないと発表しないため、震度1未満だったのだろう。
古い研究棟の3階だから、震度1未満でも揺れが増強されて感じられたと考えられる。
地震波には初期微動(P波)と主要動(S波)が含まれ、震源から離れた地点ほどP波とS波の間隔が長くなるが、地震が直下で起きた場合には両者が同時に来る。
久留米では前に弱い地震が直下で起きたことがあり、その時も揺れは一瞬だけ(P波とS波が区別できない)だったことから、今回も久留米のほぼ直下で起きたと考えられる。
とすれば、その前に感じたゆ~っくりとした傾くような揺れは、地下深くで起きた前兆だったのだろう。
久留米市は、東西に走る水縄(みのう)断層帯の西の端に位置する。