中学の時に発売された 松田聖子 (敬称略) のアルバム (LP レコード) 『North Wind』。
アルバムには、先行発売のシングル (EP レコード) 『風は秋色/Eighteen』 の2曲をはじめ10曲が収録されている。
うち、私が一番好きになったのが、B面のラストに置かれた 「しなやかな夜」。
曲調は暗めではあるものの、悲しみを湛えたような歌声が、ギター、ケーナ、ダルシマーなどの響きに乗って情感豊かに聴こえ、デビュー後間もない頃の彼女の歌の中では異色。
歌手活動40周年記念興行は、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けてしまった。
それでも、本格的な冬を迎える前にデルタ株による感染ピーク (第5波) が収束し、外食産業や興行における規制緩和が広がってきたことから、彼女の活動もようやく本格化するところだっただろう (新たな変異株であるオミクロン株による第6波が来るか警戒されているが)。
そんな折に、娘・沙也加さんの訃報。
私が30歳になる頃、2歳年下の親戚が亡くなった。
子どもの頃、盆と正月にだけしか会えなかったが、一人っ子の彼は私を兄のように慕ってくれていた。
大学を出て県庁に入り、結婚を決めたお相手もいたのに。
訃報を聞いた時のショックは大きかったが、子を亡くした親に比べれば・・・。
21日に紅白出場歌手の曲目が発表されたが、彼女の歌だけは出場も含めて未定となっていた。
今日、“松田聖子がNHK紅白出場へ” との報道。
「娘のためにもしっかりと歌わないと。 娘に恥じないようにしないといけない」 との思いからと。
紅白のウェブサイトではまだ発表されていない。
仮に出場となれば彼女の代表曲から選ばれるだろうが、優れた感受性の彼女が果たして歌えるのか、非常に心配。
沙也加さんの訃報の後、LP 『North Wind』 を聴き、最後の 「しなやかな夜」 がいつも以上に胸に沁みた。
逆縁の通夜の帰りの寒昴 (潤)
翌日追記
NHK は紅白出場を辞退されたことを発表。
これで良かったと思う。
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