漫画『血の轍』(1~11巻)を読む。
毒親と、そんな親に育てられた子どもの話。
全17巻のうち、11巻まで読む。
しんどい…。11巻目にして絶望の展開。
どこかで希望の光は見えてくるのか。
改めて、毒親システムの惨さを感じる。
毒親になる背景は、たぶん寂しさ。
子どもはその寂しさを感じている。
だから、出来る限り味方になろうとする。
親に対して「苦手」「嫌い」という思いを抱いていることにも気づかず。
親の思うような存在や望むような対応ができたときは、親の機嫌が良い。
だが、そうじゃないときは責められる、怒られる。
酷いときは、汚い言葉で罵られ、執拗なまで暴力をふるわれる。
そんな親の態度に我慢しているのは子どもうちだけ。
大人になって自活できる力がついたら、親のもとから離れる。
いや、親のもとから離れられたら幸運というべきかもしれない。
毒親システムの怖さは「過干渉」。
子どもの自立の機会を奪い、自分で考え・行動する力を削ぐので、親のもとから離れられるだけの生活力が身につかないことが多い。
そうやっていつまでも自分の傍に置いておこうとする。
毒親システムの怖さはこれだけじゃない。
親に捉われたままでいるのか、それとも親を捨てるのか。そんな選択肢に迫られるタイミングが来る。
そのとき、どちらを選択しても、地獄しか待っていない。
親に捉われたままを選べば、親が生きている間は自分の人生を歩めず、親が死去した後も生活する力がなくて詰んでしまう。
親を捨てることを選べば、罪悪感に襲われる。親子愛だ何だと能天気なステレオタイプに一生苦しめられ、自分は薄情な欠陥人間ではないかと自責の念で押しつぶされそうになる。
毒親は、子どもの情を利用する。
この漫画を読んで、そのことを改めて感じた。