『進化しすぎた脳』(池谷裕二/著)を読了。

 

 

中高生に行なった「脳」に関する講義をまとめたもの。

平易な言葉で解説しているので、脳について知る入り口としては最適。

これを読んだ後なら、“意識”について書かれたベストセラー「ユーザーイリュージョン」を読めるのではないかと、ほんのりと期待が生まれる。

再挑戦してみよう。

 

どうにも思考がつっかえて読めなかった本が、ある一冊を読んだことをきっかけに読めるようになることがある。それも読書の不思議であり魅力。

新たな扉が開いたような、そんな気にさせてくれた一冊だった。

 

ちなみに、「進化しすぎた脳」の中でもっとも興味深かったのは、第三章の「人間はあいまいな記憶しかもてない」。記憶のあいまいさが、事象に対して柔軟性と応用性をもたらすという話が面白かった。例えば、それほど会う頻度が少ない相手でも、会った瞬間にその人だとわかるのは、記憶があいまいだからだそうだ。あいまいとは、相手の特徴を汎化(一般化)すること。なので、久しぶりに会って、髪形や服装などが変わっていても、その人だと認識できる。すごいよね、脳って。