夜空にまんまるの月がのぼると、庭は昼のように明るく照らされました。

9月8日。初秋の澄んだ空気のなか、満月は白銀の光を惜しみなく注ぎ、すべてを包み込んでいました。


縁側に座ったチャップは、目を細めて光を浴びます。

その瞳に映るのは、輝く紫陽花の葉に残る露、

そしてジャスミンの白い花が夜気に漂わせる、甘く清らかな香り。


「満ちるとは、こんなにも静かで力強いものなんだね…」

チャップの胸に、言葉にならない想いが溢れていきました。


満月は乙女座新月からの努力と上弦の月の揺らぎを見届け、

「よくここまで来たね」と微笑むように光を注ぎます。

庭のハーブたちは一斉に揺れ、セージは清めを、ローズマリーは覚醒を、

ラベンダーは癒しを――チャップのまわりに広げてくれました。


その瞬間、チャップの心の奥に隠されていた願いが浮かび上がります。

「自分の小さな光でいい。

でも、誰かの夜を照らせる存在になりたい。」


満月の光がチャップの毛並みに宿り、まるで金色の花が咲いたかのよう。

庭全体がひとつの大きなランタンのように、柔らかな光に包まれました。


──満月は、完成と祝福のとき。

そして、次の欠けゆく月へと向かう、また新しい旅立ちの始まり。


チャップは夜風にそっと身を委ねながら、

胸いっぱいにジャスミンとミントの香りを吸い込みました。

その目は静かに、次の物語を見つめています。




🌿今回のテーマハーブ&アロマ


  • ジャスミン:希望と愛を広げる
  • ミント:清涼と再出発のエネルギー
  • ローズマリー:記憶と未来をつなぐ