百人一首との出会いは中学の時。
百人一首大会があり、それに向けてその時担任だった先生が、妙に熱心に指導をしてくれた、というのがはじまりでした。
基本は各個人で覚えて頑張りましょう、という程度のものだったはずなんだけど、私のクラスだけなぜか一カ月間くらい放課後にひたすら練習をしていました。
担任の先生は数学の先生だったんだけどね。。今思うと不思議。

む・す・め・ふ・さ・ほ・せ
の一字決まりは当たり前、二字、三字決まりも叩き込まれました。
さらにはこんな覚え方も。。
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む」
⇒あしなが

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」
⇒せわれ

「みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらむ」
⇒みかちゃん・いつみちゃん

暇さえあれば五十音順に並べられた一覧を見、放課後には読みあげられる句を聴きながらひたすら札を取るのだから、覚えないわけがない。当然のごとく、私のクラスのメンバーは他のクラスの人たちが途中で戦意をなくすほどの圧勝をしました。
もともとカルタ類が好きだったのと、暗記をすれば人より早く取れるということで、私も夢中になり、ほぼ全ての句において上の句を聴けば下の句が出てくるというレベルにまでなりました。(もう今は半分以上忘れているけど。。)
中学を出てからはほとんど触れる機会はありませんでしたが、4年前にピースボートに乗った時に自ら大会を開催し、乗客の人たちと一戦を交えた時も、当時の記憶が役に立ちました。

そして今。
空前の百人一首ブーム!というのは言いすぎかもしれないけれど、百人一首に関する書籍も多く、以前より注目度がアップしている気がします。
漫画「ちはやふる」は本屋大賞も受賞し不動の地位を確立しましたが、私は断然「うた恋い。」派。現在3巻まで発刊中です。(「ちはやふる」も面白いけど、文学的というよりスポ魂漫画的な感じ。)
「うた恋い。」は史実を基に作者独自の解釈をまじえつつ、うたを詠んだ当時の人々の心情が見事に描写されています。

それらに触発されて、最近はうたの内容が気になってきました。
今までは単に暗記していただけだったけれど、(一句まるまる覚えなくても、上の句の冒頭さえ分かればとるのに問題なし。)それぞれの句に込められた意味を知ってこそ、百人一首の醍醐味を味わえるし、頭にも入るという当たり前のことに、10年以上経ってから気付いたわけです。
「うた恋い。」は超訳しすぎな部分がありますが、それを踏まえて詳しい解説を調べてみると、掛け言葉と言われる、一語の中に複数の意味を持たせるような技巧が凝らしてあったりして、関心することしきりです。

ここでお気に入りの一句を紹介。

「筑波嶺の峰より落つるみなの川 恋ぞ積もりて淵となりぬる」

あるかないかの思いさえも 積もり積もって 今はもう君のことが とても愛しい
(「うた恋い。」より)

この歌では、「男女川(みなのがわ)、淵となりぬる」と「恋ぞつもりて、淵となりぬる」という二重の文脈が重ねられている。山頂を発した細い流れがしだいに水量を増し、急流なってたぎり落ち、今は深い淵となってよどんでいるように、はじめはほのかなものであった恋心も、時が経つにつれて、やがて積もり積もって今では淵のように深くたまってしまったというのである。(原色百人一首より)

なんてロマンチック!!
多少乱暴者でも(この句を詠んだ陽成院はその性格のため天皇の座から退位させられたらしい)こんなうたをもらったら惚れちゃうよな~。などと想像をめぐらしてにんまりしている今日この頃。
久々に百人一首がやりたくなってうずうずしてます。


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