「食事療法は難しい?
教育入院の終わり頃になると、栄養士による栄養指導という機会が設けられる。
皆、一様に神妙な面持ちで真剣に話を聞いているのだが・・・
その様子を見ていて思うのは、糖尿病の上級者?は思うはず。
この程度の栄養指導では、何の役にも立たない。と
患者が決まって尋ねる質問に
・「XXは食べちゃいけないんですよね?」
・「外食とかして、カツ丼が食べたい時にも、我慢しなくちゃならないんですよね?」
患者は、医師からアレもダメ、これもダメと散々言われているせいもあり
「糖尿病になると食べられるモノが無くなる」
という誤解を持ってしまうので、栄養士から別にカツ丼だって食べてもいいんですよ!
という話をされると、それを理解することが直ぐに出来なくて混乱してしまうのです。
確かに治療という観点から考えれば、低カロリーで収めるに越したことはありません。
しかし、世の中には高カロリーの食べ物が到るところに溢れている。
お店に入ってメニューを見れば、500kcal以内で満足を得る食事をすることは難しい。
自分で、弁当を作りキッチリと食事の管理を出来る人なんて、出会うことの方が難しいのです。
しかし、糖尿病の初期において食事療法の基本が出来ないと、合併症が出てからでは、その過酷さに挫折するでしょう。
何でも始めが肝心ということです。
最低、塩分は1日辺り6g以下を基準にすること。
それに伴い、だしの使い方を学ぶことで味付けの範囲を広げることが出来ます。
自分の適性カロリーを知り、大食いを止め、間食を減らし身体の代謝に合わせた食生活に改善していくことに努めるだけで、後々の苦労は激減します。
糖尿病と言っても、運動と食事で改善するのは2型糖尿病と呼ばれるタイプで1型やその他特定の機序、疾患による糖尿病、妊娠糖尿病では、当て嵌まらない場合もあります。
糖尿病は、一生を通して付き合っていかなければならない病気という自覚を持つこと。
治療で改善はしても、一度糖尿病になったら「治らない」ということを肝に銘じなくてはならない病気なのです。
その点を踏まえて、運動療法と薬物治療、食事療法のバランスを考えて付き合っていかないならない病気ということを知っておくべきでしょう。
とにかく、一筋縄では上手くいかないのが人間の身体というものです。
まずは、食事療法と食事制限の違いくらいは理解しておきましょう。