佐藤二朗に学ぶ | トニーの成幸ブログ

今日は子供の頃からの夢を叶えた

男を紹介しましょう。

 

*   *   *

 

男は愛知県春日井市で生まれる。

 

 

田んぼの広がる田舎で育ったせいか、

温厚で静かな性格だった。

 

 

小学校の学芸会での劇で

主役ではなかったがセリフが一番多く、

観客の保護者から多くの笑いを取ったのをキッカケに

演劇や俳優への道を意識するようになった。

 

 

そんな思いは、中学生になっても変わることなく、

俳優になるんだという根拠の無い自信を持ち続けた。

 

 

高校生になると、自分の気に入った映画の監督に

録音テープを送ったりしたが、全く相手にされることなく

時は過ぎていった。

 

 

この頃も自分が俳優になることへの

根拠のない自信を持ち続けたが、

それと同時に「自分が俳優なんかになれるわけない」

と否定するもう一人の自分がいた。

 

 

無難に就職して余暇で芝居をやろうと考えた男は、

必死で勉強して信州大学の経済学部へ進学。

 

 

就職せずに劇団に入って、

役者一本で食べていく勇気がなかったのだ。

 

 

大学卒業後、上京してリクルート社に入社するも、

一日で退社。

 

 

入社後に周りを見渡し、熱意あふれる人たちを前にし、

仕事の傍ら演劇をするという中途半端な気持ちでは

やっていけないことを悟った。

 

 

その後2つの俳優養成所に通うが、

劇団員にはなれなかった。

 

 

男は仕方なく「役者の適性がない」と諦め、

広告会社の営業として働き始める。

 

 

だが、営業成績でトップをとっても、

抱き続けた夢を捨て去ることはできなかった。

 

 

27歳で養成所時代の仲間と演劇ユニットを旗揚げ。

 

 

仕事を終えると背広姿のまま稽古場に直行し、

脚本と出演の両方をこなした。

 

 

この頃も、自分が俳優になったら

多くの人を楽しませることができると、

根拠なき自信を持っていた。

 

 

しばらくして有名な演出家の目に留まり、

脇役から徐々に活躍の場が増えていった。

 

 

演劇、映画俳優、アニメの声優、

レギュラーでクイズ番組のMCを務めるなど、

役者の域を超えたマルチな顔も持ち、

テレビCMでも度々目にするようになった。

 

 

男の名は、佐藤二朗。

 

 

現在50歳を過ぎて、さらに映画にドラマに声優に、

忙しく活躍している。

 

 

俳優養成所で出会った妻とは結婚して18年になり、

8歳の息子を持つ父親でもある。

 

 

昨年には、最も素敵な父親に送られる

ベスト・ファーザー賞を受賞した。

 

 

彼はこうつぶやく。

 

「世の中、理不尽が当たり前だけど、

それほど捨てたものじゃない。

 

僕みたいな男でも、努力すればたくさんの人に助けてもらって、

役者になることができましたから」

 

 

「根拠のない自信」

 

 

そして、「自分ができるわけが無い」という、

もう一人の自分との葛藤。

 

 

しかし、「できる!」という気持ちを失わなければ

必ず神様が微笑む時が来るのですね。

 

 

夢を諦めず、追いかけ続けましょう!

 

 

良い週末をお過ごしください。