「むかしむかし、あるところに、
おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へしばかりに、
おばあさんは川へ洗濯に行きました」
これは、誰でも知っている昔話、
『桃太郎』の一節ですね。
子供の頃から、
「なぜ、おじいさんは
芝刈りのため山に行くのだろう?」
という疑問を持っていました。
普通、芝刈りは、山ではなく、
野原や庭だろうと。
ある時、モノ知りの友人に聞いたところ
とんでもない勘違いをしていたことに
気づきました。
「しばかり」とは、「芝刈り」ではなく、
「紫刈り」が正しいそうです。
「柴(しば)」とは、
山林に自生する小さな雑木で、
「柴刈り」とは、柴を薪にするために、
その枝を切ったり集めたりすることだったのです。
人間、分かっているつもりでも、
そうでないことや、自分の思い込みから
誤解していることが結構あるものです。
知っているつもりはいけませんね。
疑問を持った時は、
勝手な解釈をせずに
検証することが肝要です。