名馬に学ぶ | トニーの成幸ブログ

北海道の稲葉牧場で産まれたある馬は、
生まれながらに脚が曲がっており、
自力では立てないほどであった。

 

牧場スタッフの懸命な矯正の結果、
成長するにつれて徐々に改善されていった。

 

特に名馬の血を引くサラブレッドではなく、
500万円と格安の馬だった。

 

2歳になってから地方競馬で出馬を果たす。

 

初戦は破れるも、2戦目で初優勝。

 

その後も着々と勝ちを重ね、
その年11戦を9勝で終える。

 

翌々年には地方競馬から中央競馬へと
進出を果たす。

 

地方から中央へ格上げされた馬は
前代未聞であった。

中央競馬でも勝ちを重ね、
遂にジャパンカップと有馬記念にも出馬。

 

ジャパンカップでは惜しくも3着であったが、
有馬記念では強豪を制し、初G1勝利を飾る。

 

年が明けると、後ろ脚関節部を負傷し、
5ケ月間の休養を余儀なくされる。

 

復帰後初のレースであった天皇賞杯では
惜しくも破れ2位。

 

まだ完全に怪我が治っておらず、
並みの馬ならまともに走ることすら難しいはずなのに
それでも翌週行われたジャパンカップにも参戦し、
クビの差で2位であった。

 

その後も怪我や故障に悩まされ、
勝ちからも見放されてもがき苦しんだ。

 

「もう引退しかない」

 

そんな声が世間を取り巻いた。

 

そこには、かつての雄姿はもうなかった。

 

その馬に用意された引退レースは有馬記念。

 

中山競馬場に詰め寄せたファンは18万人。

 

これはオリンピック競技会場に集まる人数の5倍以上だ。

 

「無事に走ってくれればそれでいい。それだけでいい」

 

これがファンの思いだった。

 

地方から中央に来て、幾多の名勝負を演じてきた。

 

やはり1頭のサラブレッドとして、衰えは隠せなかった。

 

鞍上には安田記念以来に武豊が跨った。

 

「勝って欲しいが、期待するのはもうやめよう」

 

その答えが単勝4番人気だった。

 

しかしこの馬は、6番追走から見る見るうちに
トップ集団に迫り、
最後の直線では2位以下を引き離し、
満身創痍の中、奇跡の優勝を飾った。

 

馬の名は、オグリキャップ。

 

もしかしたら、オグリ自身は自分の力を
信じていたのかもしれないし、
これが最後のレースだと分かっていたのかもしれない。

 

このレースをもって引退したが、
種牡馬としては自身のような闘志あふれた
産駒を世に残すことは出来なかった。

 

2010年7月3日、
名馬オグリキャップは天に昇った。

 

その名は、今なお多くの人の記憶に
鮮明に残っているに違いない。

 

この馬が人気と共に評価されたのは、
絶対に手を抜かない走りだった。

 

生まれた時は、脚にハンディを負いながらも、
そして数々の怪我に見舞われながらも、
一切手を抜かず常に全力疾走だった。

 

人間だって同じ。

 

「絶対に手を抜かない」という姿勢に
成幸の神様が微笑むのです。

 

あなたは、自分の成幸のために、
押し寄せる数々の困難と本気で戦っていますか。

 

良い週末をお過ごしくださいね。