大型バイクのメーカーであるハーレー・ダビッドソンが昔、香水を販売していたことをご存知ですか?
もちろん全く売れなかった。
ハーレー・ダビッドソンで言えば、「男くさい、無骨で格好いいイメージ」ですよね。
そんなブランドイメージの会社が香水なんか売ったって売れるわけがない。
また本質的に考えても全く交わるところがないのですね。
恐らくこの商品企画の担当者は、
「ハーレーは格好いいしロゴもイケてる。だから男物の香水は売れるはずだ」 と考えたのでしょうね。
でもよくよく考えると分かるのですが、
ワイルドな男が革ジャン着て、香水をふりかけてバイクになんて乗らないでしょう。
「エンジンオイルの香りは最高!」なんて言っている連中なわけですから。
ここで教訓ですが、ビジネスにおいては、如何に買い手の気持ちを察するかです。
売り手の一方的な思い込みで商品を作り、売ろうとする理論を「プロダクト・アウト」と言いますね。
それに対して、買い手のニーズに応えて商品を作り、売ろうとする理論を「マーケット・イン」と言います。
失敗するビジネスは、ほとんどプロダクトアウトの発想です。
「イイものだから絶対売れるはずだ」
これでは、顧客の方に向いていません。
そしてこのようなブランドの力だけで他のカテゴリー商品ばかりに手を出していると、ブランドそのもののイメージを落としかねません。
ブランドイメージを壊す商品は、たとえ売れそうと思っても売ってはいけないのですね。